コロカ事業
長崎県平戸市「平戸蔦屋 本店」を訪ねる
- 店舗レポート
平戸の菓子司として500年
シンプルながら、まずカステラを焼くところから作ることから分かるとおり、非常に手間暇のかかったお菓子で、これを500年にも渡って作り続けている蔦屋さんに感嘆することしきりでした。
また、材料も非常にこだわっており、カステラに使う小麦粉は、強さがちょうど良い地域の小麦粉や米国や豪州のものをブレンドしているそうで、砂糖は佐賀県産を、卵は長崎県のものを使っています。
カスドースは、ポルトガルから伝わったレシピに沿って、変わることなく蔦屋で作られてきました。糖度と温度が基本であることは変わりませんが、口当たりを考慮して上白糖をグラニュー糖に変更しているそうです。
菓子どころ 平戸
当時の平戸では、魚屋に次いで多かった店がお菓子屋だったそうです。
港町なので、魚屋が多いことは必然なのですが、お菓子屋さんが多かったのは、お殿様が茶人だった理由なのか、はたまた平戸で砂糖がよく作られていたおかげなのでしょうか。
和洋が融合する平戸らしさ
平戸は、寺と教会が並ぶ景色も見られるように、和と洋が融合し並存する町です。
松尾さんは、そんな平戸ならではの店を作りたいと、3年前に按針の館と呼ばれる町の施設に、新しい店を設けました。
ここは、1600年に豊後に漂着し、後に徳川家康の外交顧問も務めたイギリス人ウィリアム・アダムス(日本名三浦按針)が1620年に亡くなるまで住んだ住居があった場所とされています。
これが、今回コロカの対象店舗となったお店で、カスドースや、百菓之図から復元した烏羽玉(うばたま)に加えて、最近商品化した洋菓子も並べてられています。
平戸ならではの和洋折衷の空気が店内にもあふれているので、ゆったりと流れる時間の中、買い物をされた後、のんびりお茶やお菓子をいただくのも良いと思います。