大館・栗久の曲げわっぱ

【頭の中の棚に…】

栗盛さんは、
「常に自分に満足せず、『何かを作り出さなければいけない』いうことを頭の中の棚にのっけておきなさい。」

と、お父さんに言われていたそうです。

お客さんから要望のあった自分の作品の課題や新製品のアイデアなど、常に頭の片隅に曲げわっぱのことを残しておきます。すると、ふとした瞬間にパッと解決策が閃くのだそうです。

「伝統工芸はその時代、その時代の要望に応えて使われてきたからこそ今まで伝わってきたんだよね。だからこそ、今の時代に要求されることを聞いて形を作り、お届けしないといけない。」

栗盛さんは昔からの技術や技法だけに固執せず、常に攻めの姿勢で新しいことにチャレンジされています。

「新しいアイデアや道具のことを考えているのは楽しいよ。」
子供のような笑顔の裏に職人としての誇りを感じました。