コロカ事業

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大館・栗久の曲げわっぱ


 

 

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【磨き上げてこそ工芸品】

「女の人の手にやさしく、磨き上げたものこそ工芸品なんだよ。」

栗盛さんがお父さんから伝えられた言葉です。

昔の曲げわっぱは、表面を紙やすりで軽く整える程度でエッジも立っており、使いにくい物があったそうです。しかし、それではいけないと考え、エッジをとって丸く仕上げたり、樺細工の仕上げ技法を応用したりして使いやすい製品を目指しました。

この「使うひとへの気配り」こそ“栗久の曲げわっぱ”の特徴なのですね。

「生活を充実させるものづくりが基本ですね。(自分の作るものが)生活の中に溶け込んでくるといいなって。だからお客さんの要望を真摯に考えます。」

栗盛さんの作り上げる製品には使う人、使うシーンを考慮した心地よい工夫が現れています。いくつかご紹介しましよう。

 

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1)おひつ

おひつのポイントは内底にあります。以前のおひつは側面と底が直角になっていたため、隅の部分が洗いにくく、使っているうちに黒くなってしまうという悩みを言われたそうです。

栗久のおひつは内側が丸みを帯びており、この悩みの解消に成功しています。

 

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2)弁当箱

栗久の2段弁当箱は上下それぞれの仕上げが異なります。一方は白木仕上げのご飯用。ご飯がおいしく痛みにくいものになっています。もう一方は塗装を施し、油を使用したおかずを入れても染みこまないようになっています。

これもお客さんからの「おかずを入れるとシミができる」という注文から導き出されたものだそうです。

 

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3)リングカップ

栗久にはリングカップという円錐形のコップがあります。従来は円柱形のものしかなかった曲げわっぱ製品ですが、片付けの際に積み重ねられるようにとこのになりました。これにより持ちやすくもなりました。「握りやすくしてほしい」というお客さんからの声も商品開発のポイントだったそうです。

 

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【曲げわっぱの技術】

曲げわっぱは、同じ厚みのままつなぎ合わされています。重ね合わされる接合部が斜めに削られているためです。この接合部を斜めに削り取ることを「剥ぎ取り」と言いますが、栗久では剥ぎ取り専用の機械を開発し、安全で正確な剥ぎ取りができるようにしていました。

製品の中には、1枚の板でなく2~3枚重ねて曲げられた製品も少なくありません。これにより使用中のゆがみが少なくなるのだそうです。

それらの製品も1枚でできたものと変わらず厚みは一定。張り合わされている接着部分 も1枚の板がつながっているように同じ厚さです。

「同じ品質のものを作り続けることが大事。」

栗盛さんは安定的に製品を供給することを大切にされています。 製品を作る際には必ず最初に型を用意するほか、製品が出来上がるまでの工程を逆算して道具を開発し、作業性を効率化させていることも印象に残りました。

 

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