コロカ事業
宮崎県宮崎市 「宮崎の樟脳・染織こだま」を訪ねる
- 店舗レポート
伝統を未来へ
店内に入り、まず目をひくのは織物の数々。
目で楽しむと同時に、焚かれている爽やかなお香の香りに気が休まります。
「染織こだま」では主に、日本各地の伝統的な織物を取り扱っています。
特に注目すべきは、コロプラ通常土産の一つでもある地元のブランド「薩摩絣」(さつまがすり)。通常土産として追加した際に、宮崎県なのに薩摩?といった疑問がお土産掲示板上で交わされたこともありました。
その歴史には諸説ありますが、その名の示す通り「薩摩藩名産の絣織物」であったものが、宮崎県の特産として残るようになったとか。
鹿児島にほど近い都城だからこそ根付いた文化であるかもしれません。
同じく九州沖縄地方の通常土産である「宮古上布」は宮古島で織られた麻の織物ですが、別名「綿薩摩」とも呼ばれる薩摩絣の特徴は、木綿を用いることにあります。
江戸時代、薩摩藩の織物として呼ばれていた際の薩摩絣は、麻などの素材で作られていたとのお話も残ります。木綿は織るのが難しく、織り手に求められるのは高度な技術と熟練した勘。
そのため、現代では薩摩絣を「木綿のダイヤモンド」と称することも多いようです。
「織物の色を変えるには、その都度機械を止める必要があり、とても手間がかります。それをお願いしたところ、大変いいものができました。」
そう、ご説明をいただいた一品がこちらです。
近づいて見ると、木綿が織りなすきめの細かさ、控えめながらも趣のある色合いに、素人目にも感服します。
また、手触りも化学繊維とは全くの別物。さらっとした軽い手触りとは裏腹に、伝統の重みを感じることができます。
「着物そして木綿に対する、作り手の愛情と誇りを感じで欲しい。」児玉さんは、そう強く願っていらっしゃいます。