コロカ事業

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鳥取県鳥取市 「中川酒造」を訪ねる


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鳥取産をつらぬく

交雑。普段生活しているなかでは聞き慣れないこの言葉は「こうざつ」と読み、米を作る現場では非常に重要な言葉だそうです。
一年に1%程度ではあるものの、他品種の米と繁殖する交雑状態が発生することにより、元々の品種の純度を失っていきます。

もちろん「強力」も米ですから、その可能性があり、さらには栽培されることを推奨される一般的な食用の米とは異なるので、交雑される可能性は高くなります。

生産される方には、栽培管理方法の研修を実施し、「強力」の稲としての本来の力を引き出すために、与える農薬や肥料も最低限にするなどの取り組みをされており、地域の生産者から酒蔵までが一体となって地域の産品を守ってゆく姿に、また新たな感動を覚えました。

 

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酒は純米、燗ならなおよし

みぞれが舞う厳しい寒さの中、翌日の仕込みを見学するべく、夜ご飯を中川蔵元とご一緒させていただきました。
親父さんが非常に快活で、楽しい時間を過ごせる、鳥取市内の居酒屋「のん」へ。日本海のおいしい魚を中心にいただきながら、楽しむのはもちろん「いなば鶴 強力」。

「あごちくわ」は一見、島根県の「あごの焼き」に似た印象を受けるのですが、味は全く違います。
みりん等の調味料を入れていない分甘みがなく、あご(飛び魚)の野趣溢れる味わいがストレートに口の中に広がり、酒のあてには最高です。

 

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また、カレイの煮付けも絶品!この時期卵を孕んでいるカレイは非常に肉厚で、筆舌に尽くしがたいおいしさです。
中川蔵元が「おもしろい人を呼んだよ」ということで、ご一緒していただいたのが「TVチャンピオン東京B級グルメ王」の肩書を持ち、現在は鳥取で「とうふちくわ総研所長」をされている植田英樹さんです。
様々なおもしろい話題で盛り上がってた中で、特に印象的だった話題は「鳥取はカレールーの消費量が日本一」というお話でした。

 

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漁業が盛んだった影響で両親共に出かけることが多く、一気に作り置きできるカレーの消費量が多いという説が有力なのだそうですが、植田さんの説は違います。

バナナの消費量も日本有数であることも加味した上で、戦後日本で高級な物とされてきた洋食のカレーと、病気の時にしか食べられなかったバナナ、その二つの高級品という思いが、今でも県民性に根付いているのではないか? という説でした。

 

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そんな興味深いお話をしている間に、中川蔵元がおもしろい日本酒の飲み方をされていました。「日本酒の燗ロック」です。

熱めにお燗された日本酒に氷を一かけ入れる飲み方、実はこれ、燗冷ましという飲み方でよいお酒ほど切れ味、風味が増すのだそうです。

「酒は純米、燗ならなおよし」これは、故・上原浩さんの言葉です。日本酒は純米酒、吟醸酒、大吟醸酒と種類はあるものの、原点である純米酒に立ち戻って語られたのは、長年の経験がそうさせたのでしょうか。

日本酒を飲むときは、どうしても冷酒で飲むことが多いのですが、温度一つでこんなにも多彩な味わいが広がる日本酒の世界は本当に深いと改めて認識しつつ、鳥取の夜は更けていきました。

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