コロカ事業

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鳥取県鳥取市 「中川酒造」を訪ねる


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鳥取にしかない酒米

現在の鳥取は、かつて因幡(いなば)地方と伯耆(ほうき)地方と呼ばれていた地域を指しており、鳥取市周辺は因幡地方に分類されていました。
その時代因幡地方だけで生産されていたといわれる酒造好適米(酒造りに適しているお米)があり、その銘は「強力」。大正から昭和初期にかけては、六千町歩(ちょうぶ)、現在の単位で約60平方キロメートルに渡る農地で生産されていました。

 

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しかし、昭和20年代に入ると、戦後の食糧難という背景のもと、収穫量が多く、食用に向く米の生産に押し出される形となり、次第に「強力」は消えていったのだそうです。
「強力」は収穫量が少なく、背丈が非常に高いため、大粒になって倒れやすいという特徴も、栽培に手間がかかるとして、消えゆく流れに拍車をかけることとなりました。

その後、地酒ブームなども手伝い、日本酒造りで使われる酒造好適米もブランド化が進み、「山田錦」「五百万石」といった有名な品種が流通するようになりました。

そうした地酒ブームの中、中川蔵元は本当の地酒とはなにか? を考え続けていたのでした。

フランスではワインにA.O.C(原産地統制呼称法)という制度が敷かれ、生産地域から品種、収穫量、醸造法など細部まで国により規定された食品の品質保証制度により、ワイン毎の地域性や伝統が守られています。

一方で日本酒は銘柄や醸造場所による独自性こそあれ、原材料の産地という点においては酒造好適米の地域性は無くなっていました。この点に疑問を抱いた中川蔵元の行動は、やがて「強力」の復活へとつながるのでした。

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