コロカ事業

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鳥取県鳥取市 「中川酒造」を訪ねる


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強力の復活へ

TVのドラマにもなった「夏子の酒」という漫画があります。主人公が幻の酒造好適米「龍錦」を復活させ、日本一の日本酒を造るというお話です。
この「龍錦」は、山形原産の「亀の尾」という、コシヒカリやササニシキ、五百万石の祖となる米の復活させた酒造のお話をモチーフとしていたそうです。
この漫画の中で「上田先生」の名で主人公の師匠として登場するのが、広島財務局/鳥取工業試験場で日本酒鑑定に携わり、"純米酒普及の親"と呼ばれた鳥取出身の故・上原浩さんです。

 

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この上原さんとの出会いが中川蔵元と「強力」とを結び、そして復活へとつながっていきます。
常々からの地酒への思いを当時鳥取酒造組合連合会技術顧問であった上原さんへぶつけたところ、「鳥取にはかつて強力という酒米があった」という言葉をいただき、即座にその種子として蒔くための籾(もみ)、種籾(たねもみ)を求めて奔走しました。

結果、元鳥取県農業試験場長であり篤農家(とくのうか)であった西尾隆雄さんの協力により、鳥取大学農学部の木下収教授が過去に栽培試験で用いた種籾を譲り受けることができました。

 

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とはいえ、ごく少量の種籾から酒造りに必要な量の米を作るまでには、大変な試行錯誤と時間がかかりました。
そうしてようやく平成元年に強力だけで酒造りが可能になる収量を得ることができるようになり、「いなば鶴 強力」が誕生したのでした。

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