コロカ事業
京都府京田辺市「舞妓の茶本舗」を訪ねる
- 店舗レポート
名工・山下壽一
昭和9年生まれの山下さんが、はじめてお茶作りに携わったのは中学2年生の事でした。
家業が茶農家で、父親の体が弱かったため、学校から帰ると体力の必要な「手もみ」の工程をよく手伝っていたそうです。「とにかく嫌でしょうがなかった。」と、当時を振り返っておられました。
山下さんが本格的に茶農家としてお茶作りを志したのは、1948年、第二回全国茶品評会玉露部門にて父親が農林水産大臣賞を受賞したことがきっかけでした。
「子供心にこれしかない!と思ったんだよな。」と仰る山下さん。自身も1966年の農林水産大臣賞受賞を初めに、70年,73年,79年,83年,89年,2000年と、実に7回もの農林水産大臣賞を受賞しています。
「お茶づくりをしているとテストの場がなくてさ。自分への試験として品評会には必ず出していたんだよ。」とのこと。
場所を山下さんの自宅横の茶畑へ移動し、茶畑でさらにお話をお伺いしました。
名人の茶畑
玉露作りの名人が一番美味しいと思うお茶を生産する畑は、もちろん自分で手がける自宅周りの茶畑です。
自らの目で確かめ、気温や天候などの条件からお茶の木と対話し作り上げていく茶畑はまさに至極の農園。
丁寧に育てられた茶畑は、新芽の出る季節には覆いが掛けられます。日光を遮断する事によりアミノ酸が増加し旨みが増し、渋みの原因となるカテキンが減少します。この作業により、玉露の特徴である旨みが増し、渋みが無くなるのです。