コロカ事業
京都府京田辺市「舞妓の茶本舗」を訪ねる
- 店舗レポート
お茶の収穫
こうして育てられたお茶の新芽は、「シゴキ摘み」と呼ばれる方法により、茎以外の先端部分、一芯二葉だけを一つ一つ手で摘み取り収穫されます。
収穫された新芽1kgからは、わずか約150gしかお茶が作れず、新芽を収穫する作業はベテランでも一日に10kg、お茶にして約1.5kg程度しか生産できません。
収穫時期は4月~5月で、普段は優しい笑顔の山下さんも、この時期ばかりは緊張感が漂い周りの空気も張り詰めた感じになるそうです。
続いては、摘み取られた新芽からお茶にする工程を茶畑横の工場でお伺いしました。
名人のお茶づくり
山下さんの特徴は、昔ながらの手もみを継承する一方で、さらなる技術の革新をもたらしている点にあります。
工場は大きく二つに分かれており、一方は焙炉(ほいろ)台の上の助炭(じょたん)にて手作業で作り上げる場所で、もう一方は機械専用のラインです。
最初に、手作業で行う工程をお伺いしました。
1.茶葉を蒸す
日本茶独特の工程で、蒸すことにより酸化と発酵を止めます。
2.露きり
茶葉をかき上げながら落とす事により、水分を取り除きます。
3.横まくり
茶葉を転がす事により、アクを抜きます。
4.玉とき
横まくりで出来た固まりをほぐします。
5.中上げ
一旦焙炉台からおろし、全体の水分を均一化します。この段階で水分量は蒸す前の半分まで減っています。
6.茶ぞろえ
手をすり合わせるように揉むことにより、茶葉の大きさが揃います。
7.でんぐり
茶葉をまとめながら揉みます。お茶の香りが引き立ちます。
8.板ずり
「かまち板」と呼ばれる板を使い、茶葉を回転させるように仕上げます。色や香りが良くなり、針のようにとがってきます。
9.乾燥
助炭の上に広く薄くのばし、時々攪拌しながら乾燥させます。
ここまでの工程で通常のお茶は4時間半かかります。一方で、上質なお茶の場合は7時間掛けて作業をすることもあるそうです。