コロカ事業

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ぶどうばたけのレーズン


 

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食べ物は摘むまで生きている

「ぶどうばたけ」ではレーズンアソートをはじめ、種なし巨峰のジャムやピオーネのコンポート(砂糖煮)、甲州生ジュースといった加工品だけでなく、ぶどう狩り、農家体験民宿(コロカ対象外)、畑や牛のオーナー制など、ぶどうと農園に関わる事業を積極的に展開しています。

三森さんは「正直なところ利益は薄く、苦労は多い」としつつも、「農業体験を通して、勝沼全体、そして農業そのものに興味を持ってもらえれば」と語ります。「ここに来てもらえれば、食べ物は摘むまで生きているということを実感できると思います」と言うのです。

 

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ワイン? いいえぶどう酒です

「ぶどうばたけ」の敷地内には、三森さんのお父さんが代表を務める菱山醸造有限会社があり、毎年秋に収穫したぶどうを使って「ぶどう酒」を造っています。販売用でなく、周辺の農家から受け取ったぶどうを酒にし、納入量に応じて返還してもいます。三森さんによると、この地域では「晩酌にぶどう酒、地区の寄り合いでもぶどう酒、お祭りでもぶどう酒を飲む」と言いますが、ぶどう酒=ワインに対するイメージとはずいぶんかけ離れているようにも思えます。

しかし、ひと口飲んだ瞬間に謎は解けました。「ワイン」でなく、あえて「ぶどう酒」と呼んでいることにも納得です。三森さんが差し出すぶどう酒は透明の辛口で、ぶどうの匂いはするものの、その味わいは上質な日本酒のそれに近いです。三森さんが「ぶどう酒には漬物が合いますよ」と笑っていたのも、決して冗談などではなかったことに気付かされます。

 

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ソムリエが認めた確かな味

実はこのぶどう酒、ワインアドバイザーの資格を持つかおりさんも関わっているもので、世界的なソムリエ・田崎真也さんもその味に注目し、テレビ番組などでたびたび紹介しています。

菱山醸造では7月下旬から11月3日まではいつでも見学・試飲が可能。購入した商品を包装してもらうわずかな時間でも、「試飲を」とお願いすれば対応してもらえます。我々も、三森さんが「これは2週間熟成させたもの」、「こっちは60日間。味が全然違うでしょう?」と楽しそうに出すぶどう酒を、いくつも味見させていただきました。照りつける太陽の下で飲む冷えたぶどう酒は、また格別です。

こうしてすっかり上機嫌となった我々は農園のあちこちを見せてもらうと、三森さんに礼を述べ、「ぶどうばたけ」をあとにしたのでした。

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