コロカ事業
福井県小浜市・とば屋酢店
- 店舗レポート
和みと活気の道中
福井県の豊かな緑に囲まれた敦賀駅から、JR小浜線に乗り込みます。小浜線は2両編成ながらほぼ満員の乗客で賑わっているため、約1時間の道中は、和みと活気の両方を楽しむことができます。小浜市は福井県内でも京都や滋賀県の近くに位置し、2008年のアメリカ大統領選挙で地元の有志による「オバマ候補(現大統領)を勝手に応援する会」の活動が記憶に新しいところです。しかし、本来この地域は、古くから日本海側の入り口として発展してきた歴史ある地域となっています。
日本海の入り口、若狭湾
この若狭湾は、北陸以北の日本海沿岸や蝦夷(えぞ)地と関門海峡を経て瀬戸内海をつなぐ物流ルートとして、江戸時代から明治時代にかけて重要な拠点となっていました。日本海でとれた鯖は若狭湾で陸揚げされ、近畿地方に陸路で運ばれたため、その道は「鯖街道」と名付けられました。若狭塗の技術は海路を経て北に伝わり、青森の津軽塗に影響を与えたそうです。北陸地方の稲作技術や藁による保温技術が蝦夷にまで伝わったことで、寒冷地での稲作が可能になったそうです。
稲作の伝統もあり、小浜には古くから造り酒屋も多く存在していました。とば屋のお酢造りも、そうした地理的・歴史的背景によって育まれてきました。