コロカ事業
朝日酢食品の薩摩かめ酢
- 店舗レポート
焼酎工場でお酢造り
朝日酢では、以前焼酎を造っていた施設を工場としています。
黒酢の製造現場と聞くと天日の下にずらりと並ぶつぼ畑を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
「うちは家族経営なので大量に作れません。」
と、賢一さん。
工場には高さ1メートルほどの壺が15個並んだ部屋が3つあります。
創業メンバーに地元の酒造メーカーである日当山醸造の方が参加されていたこともあり、発酵などの技術は焼酎造りがベースにあるそうです。
ちなみに、麹も焼酎で使われている白麹。黒酢の製造では珍しいそうです。
朝日酢食品の工場は見学できませんが、同じ鹿児島のコロカ店「軸屋酒造」では、同様の甕を使って焼酎を醸造しており、まさに同じ醸造風景を眺めることができます。
微生物とのつきあい
現在、朝日酢の製造を取り仕切る賢一さんは大学時代に微生物学を学んだというスペシャリスト。
由紀子さんと結婚し5年後、今までの経験を生かして黒酢づくりをする事に。
「結婚当時は、家業を継ぐとはまったく考えていなかった」とはいえ運命的な出会い、馴れ初めはぜひご本人に聞いてみてください。
朝日酢では年に2回、春と秋にお酢を仕込みます。仕込んでから3か月は米の糖化、アルコール発酵、酢酸発酵がゆるやかに重複して行われ、その管理に従事。それ以外の期間は、甕のなかの環境管理に注力します。
酵母や酢酸菌がいい黒酢を醸してくれるよう、温度や湿度に細心の注意を払い、経験を生かして微生物が快適に活動できる環境を整えます。
水と米
米と麹、水だけの材料。
「ここの水はとてもきれいで美味しいんですよ。工場の後ろの沢にはイモリもいるんですよ」
と、水のきれいさを紹介された由紀子さん。
工場の外からは真冬なのにカエルの鳴き声も聞こえます。
「米は30年程前から同じ仕入れ先です。いつどのような肥料を使ったか、どのような作業をしたかもわかります」
賢一さんはトレーサビリティ対応がされた米を使用していると説明してくれました。
「自分たちが普段食べている米より高いんですよ」
とすかさず笑顔で由紀子さん。この質の高い材料も大量生産できない理由なのかもしれません。