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鹿児島・軸屋酒造 紫尾の露

 

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北薩の名焼酎

鹿児島空港より阿久根(あくね)・出水(いずみ)行きの高速バスに乗り約45分、山を抜けて少し開けてくると、薩摩郡さつま町の中心地・宮之城(みやのじょう)停留所に到着します。
宮之城停留所は、現在は廃線となってしまった国鉄・宮之城線の宮之城駅跡地で、現在は宮之城駅鉄道記念館となっています。
停留所前はタクシー乗り場となっており、今回目指す軸屋(じくや)酒造へは、ここからタクシーに乗って15分程で到着です。
ちなみに、軸屋酒造へと繋がる分岐点には別の酒造会社さんがありますので、お間違えないようご注意ください。
販売場所となる事務所に向かい、四代目杜氏(とうじ)・軸屋麻衣子さんのご主人で営業部長の軸屋喜一郎さんと製造部の鍋田政孝さんにお話をお伺いいたしました。

 

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軸屋酒蔵の成り立ち

明治43年に初代・軸屋権助さんによる創業から軸屋酒造の歴史ははじまります。
当時から今に至るまで、軸屋酒造を代表する銘柄は「紫尾(しび)の露」です。
権助さんが「お湯割にした時にも力強い味」にこだわって作り出されており、原料となるサツマイモの甘味と、まろやかさを白麹で引き出した焼酎となっています。
以降、二代目・盛義さん、そして現当主の三代目・新太郎さんと、こだわりの味と製法は受け継がれているのです。
この味は、原料となる鹿児島産サツマイモ「黄金千貫(こがねせんがん)」や国産の麹米等のこだわりもさることながら、全行程で使われる水である紫尾山の伏流水こそがすべての源となっています。
軸屋酒造にとってこの「紫尾の露」の名前に冠する「紫尾」こと霊峰・紫尾山は、切っても切れない関係にあるのです。

 

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霊峰・紫尾山

時は紀元前3世紀頃にさかのぼります。
当時、中国を治めていた秦の始皇帝に、不老長寿の薬を探すように命ぜられた徐福(じょふく)は海を渡り、たどり着いた日本で鹿児島から青森にいたるまで日本全国に様々な伝説を残しています。
紫尾山は、この地を訪れた徐福が、山の神々に冠にについた紫の紐を納めたという伝説から名付けられたと言われています。
軸屋酒造のある北薩摩地域は、最高峰である紫尾山をはじめとした紫尾山地の影響で、南国のイメージが強い鹿児島ながら、寒冷な地域で積雪する地域です。
この紫尾山系に降り注いだ雨が、長い年月を掛けて絶え間なくわき出る伏流水となり地下146mから汲み上げ、仕込み水、割水とまさに全行程で利用され、軸屋酒造の酒造りを支えています。

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