コロカ事業
佐賀県唐津市「甘夏かあちゃん」を訪ねる
- 店舗レポート
甘夏のかあちゃん達
ゼリー作りを始めたのは山口さんを含む3名の甘夏生産農家のかあちゃんたちでした。
パティシエの方から教えてもらったレシピを元に、試行錯誤の連続。半年以上かけてレシピは、甘夏半分の形をした容器の中に、丸々1個の果汁を使う、贅沢な仕上がりとなりました。
果汁が見た目の倍、入っているといってもベタベタした甘ったるさはなく、さっぱりとやわらかな酸味が、甘夏本来の風味を感じさせる一品です。
新鮮な果汁と果実にこだわって、2~4月の最盛期に収穫して急速冷凍した果汁は、8月にはゼリーになっているので、9月の早生(わせ)甘夏が収穫できるまで、甘夏ゼリー製造をお休みする時期もあります。
その後作られる9月頃の甘夏ゼリーは、緑の果実を活かした器になっており非常に鮮やかな色合いで見た目も楽しませてくれます。
甘夏にこだわり作り続けた、かあちゃん達のゼリーはやがて口コミで広がり続け、今では加部島を越えて呼子の名物となっています。
甘夏を作るとうちゃん
山口初さんには、甘夏栽培を続けるにあたり悩みがありました。
甘夏を安定して生産するためには農薬の散布が必要なのですが、農薬にアレルギーのある初さんは、甘夏を作るたびに体を痛めていたのです。
「そもそも食品であるからには安全第一で、その食品を作るために過度な農薬は必要ないのではないか」という長年の思いから、平成元年より有機農法栽培への取り組みを始めました。しかし、最初の10年は一つ一つの方法を手探りで試し、もがき苦しむ毎日。
数々の試行錯誤を経て、自然に逆らって土や樹にストレスを与えずに、成長のお手伝いをすることに専念することで、素直な酸味と甘さを持つ甘夏を作ることができました。
現在、完全有機栽培では無いものの、初期段階に必要最低限の薬剤を使い、ほぼ有機栽培に近い状態での甘夏が作られています。