コロカ事業
筑前飯塚 「畠中育雛場(いくすうじょう)たまごん工房」を訪ねる
- 店舗レポート
絶品のチーズケーキ
たまごん工房では、卵や農産物だけでなく、卵を使ったお菓子を何種類も製造販売しています。中でも、一口食べてその美味しさに驚いたのはチーズケーキでした。
社内でも「チーズケーキをコロカにすべきではないか」との議論が巻き起こったほどの美味しさです。
「ケーキ屋さんではない店のチーズケーキだから」とうっかり気を許すと、味わった一口めでノックアウトされます。
一般的なレシピだそうですが、卵が違うとこうも違うのか、と驚くことしきりです。濃厚な味を、ぜひお試しください。
また、隣の店舗では、アイスクリームも販売されています。イタリアンジェラートのレシピで卵をたっぷり使っていて、非常に美味です。卵などの購入金額に応じてアイスクリームがサービスされることもあるそうですから、購入時に聞いてみてくださいね。
食育を自然な形で伝えたい
最近よく耳にする「食育」……様々な経験を通して「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること、だそうですが、畠中さんは、生産者として食育に尽力されています。
地元の小中高校でゲスト講師として話をしたり、職場見学を受け入れたりするほか、年に2回、春と秋に「感謝祭」として、店舗周辺の場所を開放しています。
芋掘りや、畑の中を歩くオリエンテーリングなどを実施されていますが、単なる余興ではなく、遊びながら農業に触れてもらうのが目的なのだそうです。
例えば、「アグリツーリズム」等とうたえば、格好はいいですが、最初からそれに興味がある人しか参加しません。「それでは意味がないのです。」と畠中さん。
芋堀りや賞品付きのオリエンテーリングであれば、農業に興味の無い人にも気軽に参加してもらえます。
参加した人に、まず畑の土に触れてもらうところから始めてもらい、普段食べている物がどのように作られているかを少しずつ体感してもらえる方がよいのではないか、とのことです。
食物への愛があふれる畠中さんの卵やお米が美味しいのは、当たり前なんだろうなぁと深く感じ入りました。
飯塚周辺の観光とお食事
飯塚は、コロプラ発祥の地でもあります。せっかく立ち寄られるなら、近隣もぜひ観光していってください。
飯塚市のある筑豊地方は、かつてエネルギーの主力が石炭だった時代に、炭鉱で大いに栄えました。
炭坑経営で巨万の富を築き、国会議員や地元銀行の役員も歴任した伊藤伝右衛門(でんえもん)が明治30年代に建造した邸宅が一般公開され、地元でも人気を博しているそうです。
伊藤伝右衛門といえば、27歳も年の違う、柳原伯爵の娘あき子(実際には漢字、歌人としての筆名は白蓮)と再婚し、10年の豪華な結婚生活の後、あき子から新聞で公開絶縁状を付きつけられた大スキャンダルでも有名。
ご本人は、得た富を社会に還元することに熱心な篤志家だったそうで、邸宅見学では、当時の炭鉱王の暮らしぶりだけでなく、様々な面をみることができるでしょう。同邸宅は、世界遺産の推薦候補リストにも入っています。
また、筑豊は、炭鉱での厳しい労働のため、食べ物、特に甘いものにお金を使い、宵越しのお金を持たない労働者が多く存在していました。そのため、食べ物やお菓子のレベルは、全国的に見ても非常に高いそうです。
例えば、東京銘菓と勘違いする人が多い「ひよこ」は、実は飯塚で大正時代に生まれています。また、内陸でありながら、生けすを持つ料理店が多いそうで、魚も非常に美味しいのだとか。
「店の近くで食事をするならどこ?」と質問したところ、店から1キロ程度離れたところにある回転寿司「一太郎」をまず勧められました。回転寿司とは思えない美味しさで、平日でも6時頃から行列ができるそうです。他には、「蓬屋」や「ステーキバンバン牛舎」がお勧めだとのこと。
筑豊の豊かな食文化から生まれた美味しい卵を手にし、歴史と食育とコロプラに思いをはせる――そんな旅もたまにはいかがでしょうか。