コロカ事業

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島根の銘酒・李白


 

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酒造好適米を使用

日本酒は、米と米麹、そして水を原料に作られます。李白酒造では、酒造好適米と呼ばれる酒造り専用のお米をほぼ全量使用しています。品種は山田錦と五百万石、神の舞の3種類。地元、島根県産のものを中心に、一部兵庫県産のものも。もうひとつの大事な原材料である水は、敷地内の3ヶ所の井戸からくみ上げた地下水を使います。

私たちが普段食べるお米とは違い、酒造りに適した米は味が淡白なのだそう。そのほうが米の雑味が出ず、美味しい日本酒になります。また、菌種が内側に生えやすいように、米粒の中央にでんぷん質の粗い層を、ほど良い厚さでもっているものがいいのだそうです。

「ひととおりこだわっている自信はあるんですけど、それは造った物を口にしてもらう以上当然のことです。だからあえて"こだわってます"ということは言わなくてもいいのかなと、じつは思っています」と田中さん。

 

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基本に忠実に造る

製造は、昔ながらの製造工程に忠実に造っています。機械でもできることは機械で行っていますが、基本は手作業がメインです。

李白酒造の杜氏は、夏の間は農業をやり、閑散期の冬に酒造りを手伝うという季節雇用なのだそうです。時代とともに杜氏の数も減ってきています。そこで年間雇用の若い社員たちでもきちんと酒造りが行なえるよう、データを蓄積して、経験に変わる何かを見つけていかなくてはと、田中さんは考えています。

「50年前と比べたら今の日本酒の質はまったく違うものだと思いますし、100年前とはもっと違います。技術もどんどん新しくなっているし、おそらく美味しくなっています。だから今あるものがすべてじゃないと思うんですよね。その時代の中で"やっぱり日本酒だよね"と言われるものを常に造り続ければいいんだと思います」

 

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李白酒造の経営理念

李白酒造は、日本酒の海外輸出を積極的に行っている酒造としても知られています。売上でいうと、県内が3分の1、県外が3分の1、海外が3分の1だそうです。現在、日本酒の生産量の約2%が海外輸出ということですから、李白の海外輸出率の高さがわかるかと思います。

李白酒造の経営理念は、ずばり「酒文化を普及し、正しく後世に継承する」というもの。その一環として海外輸出も始めました。

「他の国には日本酒と同じ造り方をするお酒は一切ありません。でも日本酒メーカーは今、どんどん数が減っています。極端な話をすると、このままだと日本酒がなくなってしまうかもしれません。日本酒は日本の文化が作ったお酒です。これを継承して広めていくことは、日本酒メーカーとして当然やっていかなければいけないことだと思っています」

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