コロカ事業
島根の銘酒・李白
- 店舗レポート
日本文化の輸出として
李白酒造が海外輸出を始めたのは、なんと今から20年も前のことです。日本食が海外で食べられるようになり始めた頃「日本文化がある先には酒ももっていこう」と、文化を輸出する意味合いも兼ねて、取引を始めたそうです。
「海外輸出に限らず、お金にならない段階でも興味をもってもらうための努力をするというのは、大切なことだと思います。畑づくりから始めてタネを蒔いてるような感覚ですよね。最後に、うちのお酒を飲んで日本酒が好きになってくれる人が現れれば、それが僕らにとっての収穫です」
和食ブームも後押しして、日本酒は現在では世界各国で高級酒として人気を博しています。李白酒造は、アメリカ、香港、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、韓国、ブラジルなど、世界10数カ国へ日本酒を輸出するまでになりました。
地元・松江への思い
田中さんは、地元である松江に対しても思いをもっています。本店とは別に、今回コロカ対象店舗となっている「松江ごころ」は、松江の観光名所が集まる塩見縄手というエリアにあります。3年ほど空き家だった建物をいくつかのお店で共同で借り受け、お土産を買ったり、軽食がとれる場所として、昨年オープンさせました。
「あのあたりは松江の観光ではいちばん重要な地域で、景色もすごくきれいなんです。でも交通の便があまり良くなくて、行きづらい場所でもあるんですね。でも僕は、それもわかった上で"空けとくわけにはいかないでしょう"とあの店を借りました。あのエリアは松江にきたらぜひ見てほしい、いい場所ですし、そんな所に空き家があるのはやっぱり雰囲気が良くないですから」
自分たちが店を出すことで地域が活気づき、塩見縄手エリアを訪れてもらうきっかけが増えればと「松江ごころ」は始まったのです。
目指すは世界の酒!
「うちに限らず、日本酒業界は、ここ10年でものすごくレベルが上がっています。味や質という点では常に最先端をいっていますね。でも売上はなかなか伸びていってない。うまいものは造って当たり前なので、あとはそれをいかに知ってもらうか。そのための畑づくり、宣伝活動や啓蒙活動に力を入れることは長い目で見るとすごく重要になってくると思います」
そして、ちっちゃいことを言うのが苦手だという田中さんの今後の目標は「日本酒を世界のお酒に」ということ。
「松江の酒として、日本の酒として、世界に誇れるものを作っていきたいです。ひいては世界の酒『李白』が松江の酒だっていうことは、地元の人にとって自慢になると思うので、そうなるように努力していきたいですね」