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堺・八百源来弘堂の肉桂餅

 

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肉桂香るとろける餅菓子

大阪の堺市は、南北朝の頃から海外に開かれた港として栄え、豊臣秀吉の時代にさらに繁栄した、商人の町です。南蛮貿易が盛んだった安土桃山の時代に、この地で南方から入る香辛料、肉桂(にっき)を用いた香ばしい餅菓子がつくられました。

肉桂とは、シナモンと同じクスノキ科の香辛料です。肉桂を入れた「八百源」の「肉桂餅」は、ふわっと漂うシナモンの香りに、とろけるような求肥と餡子がひとつになった絶妙な美味しさの和菓子。すっきりした甘さなので後を引かず、つい「もうひとつ」と手を伸ばしたくなります。

堺市の代表的なお土産として人気の、この肉桂餅をつくるのが「八百源」です。繁栄当時の賑わいが随所に感じられる商人の町、堺を訪れました。

 

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堺へのアクセス

大阪府堺市堺区に位置する「八百源」へは、南海線の堺駅か、天王寺-堺間をつなぐ大阪唯一の路面電車、阪堺電車の花田口駅を利用します。堺駅からは徒歩15分ほど、花田口からは4~5分の距離です。

電車の通る大通り、紀州街道から2本ほど奥まった路地へ入ると、民家が並ぶ住宅街です。住宅の間に、そこだけ趣の異なる、風情のあるお店が見えてきます。

車でのアクセスは、阪神高速15号堺線を使うのがよいでしょう。

昭和20年代に建てられたという「八百源」の外観は、歴史を感じさせる老舗らしい重みがありますが、木造づくりの温かさも感じさせます。のれんをくぐって中へ入ると、お餅やカステラなどのお菓子が並ぶ昔風の売り場に、肉桂の甘い香りが漂っています。

 

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かつての堺の一等地

お話を聞かせてくれたのは、6代目当主の岡田巧さんです。

「この辺りは、もともと御奉行所があった場所で、石田光成や徳川家康も歩いたといわれる歴史的な土地です。明治初期は、この通りに店を出すことがステータスだったほど、賑わいのある場所でもありました。」

堺は、安土桃山時代に、明や琉球、ポルトガルなどとの交易が行われていた港町です。「八百源」の先祖である八百屋宗源は貿易商で、中国やルソンなどの南方諸国から香料や香木を輸入して商っていました。「肉桂餅」の原型を考案したのが、この宗源だったのです。

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