コロカ事業
京都・田勇の丹後ちりめん
- 店舗レポート
今度の旅は京都が起点
今回のコロカ店は、京都府にあります。京都と聞くと「古都」、現在の京都市内をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし我々が向かうのは、京都府の北端・京丹後市にある、丹後ちりめんの田勇機業株式会社です。
まずはJR京都駅へ。ここが旅の起点となります。東京駅から新幹線で約2時間20分のこの駅で、特急はしだてに乗車します。
西日本から向かう場合は、JR姫路駅で播但(ばんたん)線に乗り、豊岡駅まで特急はまかぜで約1時間30分 。北近畿タンゴ鉄道宮津線に乗り換えて約40分の、網野(あみの)駅 を目指します。
織物の街は渓谷の先に
特急はしだては、日本三景のひとつ「天橋立」を目指して走ります。
終点・天橋立駅の一つ手前、宮津駅に着いたら特急たんごリレーに乗り換えて、北近畿タンゴ鉄道網野駅に向かいます。天橋立駅でも同じ電車に乗れるのですが、別ホームに移動しなければならないので、宮津で乗り換えるほうが便利です。
特急たんごリレーのヘッドレスカバーには、ふんわりとした純白の布に、「丹後ちりめん」の刺繍がなされています。乗車される際は是非注目してみてください。
網野駅からは丹海バス弥栄網野砂丘線に乗って約7分。「浅茂川区民会館」で降ります。来た道を30mほど戻ると見える「織元たゆう」の看板を頼りに、店舗へ向かいます。
シボに思慕して
田勇で我々を迎えてくれたのは、3代目社長の田茂井勇人 (たもい・はやと)さん。幼い頃からガシャンガシャンという織機(しょっき)の音に囲まれ育った方です。
京丹後は、古墳から遺跡が見つかっているほど昔から絹織物が盛んな土地ですが、ごく限られた人だけのものであったため、次第に衰退していきました。ところが江戸時代、ここに「シボ」の技術がもたらされたことで丹後ちりめんは息を吹き返します。シボとは絹織物の表面にできる細かな凹凸のことで、柔らかく、しなやかな生地となります。また、シボが光を乱反射させることで、生地に絹独特の輝きが増します。
京丹後にこの技術をもたらした絹屋佐平治は、今でいう京都市内にあった西陣織の機屋からシボの秘法を持ち帰り、京丹後の人たちの生活を守ったと言われています。