コロカ事業

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滋賀県大津市「松喜屋」を訪ねる


 

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近江牛の3大特徴

さて、近江牛の歴史を聞いてきましたが、ほかの銘柄牛と比べて評価されるポイントが気になってきました。すると、
「体温で溶ける、粘り気と甘みのある脂身が一番の特徴」だと教えてくださいました。
実際に触らせてもらうと、まるで氷のようにみるみる脂が溶けていきます。そのため、肉を切るときは室温もさることながら、スピードも重要だと言います。
さらに、肉繊維と脂肪がきめ細かく上品に交雑した霜降りと、屠殺後に水分が蒸発して肉量が減少する「減耗(げんもう)」現象が非常に少ないことも近江牛の特徴なんだそうです。

 

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牛を見る目 肉を見る目

これら上質の近江牛はどのようにして仕入・飼育しているのでしょうか。
松喜屋の肉には、子牛を仕入れて指定牧場で飼育した肉と、肉の状態で買い付けしたものの2種類があります。言うまでもなく、どちらも目利きが重要で、西居社長自ら厳選して仕入れます。
「セリで子牛を買い付けるのですが、おいしくなる牛を見分けられるようになるまでには相当苦労しましたよ。」と笑って話されました。

血統書や毛並みなどを見て判断するそうですが、我々にはとても違いがわかりません。
肉の買い付けでは、断面を見て1頭分すべての肉を想像するそうで、こちらもやはり経験値がものをいいます。それでも失敗がなくなることはなく、
「毎回、仕入れは真剣勝負ですよ」
と話してました。

 

れすとらん松喜屋の役割

続いて西居社長にれすとらん松喜屋を開店した経緯を伺いました。
「自分たちの考える、最高においしい近江牛の食べ方を提案したかったんです。」
直においしく食べてもらえる場を用意することで、近江牛のブランドを守り、地域社会の食文化作りにも努めているそうです。れすとらんには目の前でステーキを焼いてくれるステーキカウンターのほかに、広間とちょっと贅沢な個室があります。
この日は、カウンターで近江牛をいただきました。

 

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実食 その前に…

カウンターに座ると目の前には温度を均等に保つ4cmの厚みのある鉄板。
その向こう側で、シェフの方がサーロインの霜降り具合を確認させてくれました。
続いて、おもむろに油を敷き、ヘラとブラシを使って、ピカピカな鉄板を改めて念入りに磨きあげます。肉を焼く前の準備運動なのでしょうか。体全体を使った動きは滑らかで迷いなく次の行動につながります。
後で伺ったところによると、鉄板を磨く時間は、冷蔵庫から出してきた肉を常温に戻すための時間でもあり、肉をおいしく焼くには欠かせないそうです。

 

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