コロカ事業

  1. 甲信越・東海・北陸地方一覧

岐阜県高山市 「角一」を訪ねる


035_kakuichi_01_04.jpg

保存食として、郷土料理として

「朴葉味噌」は、その名の通り、朴葉(朴の木の葉)の上で味噌を焼きながら食べる郷土料理です。
昔から林業に従事する方が多く、山中での携行食・保存食として、火を起こし辺りに落ちている朴葉の上に味噌を乗せて焼いて食べていたものが、次第に各家庭でも食べられるようになり、郷土料理・朴葉味噌が確立したそうです。

日下部社長は「幼いころから、朝食によく味噌を焼いて食べていた。」とおっしゃっていました。朴の木はモクレン科の落葉樹高木で、その大きな葉が特徴です。
木から採取した緑の葉には殺菌効果があり、「朴葉もち」や「朴葉寿司」といった飛騨高山の特産品に使われています。

一方で、「朴葉味噌」で使用するのは落葉した枯れ葉です。
自然に落葉した葉を地元の方に協力いただき、山で拾い集め、選別、乾燥、掃除して使用しています。日持ちしない緑の葉と違い、1~2年の保存が可能だそうです。

 

035_kakuichi_02_01.jpg

紙鍋と同様の原理で、朴葉に乗せて焼くことにより、葉が燃え出す温度以下で調理できるため、またその香りと風味が調理する品に移ることから、昔から鍋代わり、皿代わりとして利用されてきました。

高山の厳しい寒さで凍ったおかずを葉の上で温めることができる……電子レンジの役割を持った調理方法とも言えますね。
まさに、高山という土地の叡知が集結した料理が朴葉味噌なのです。

share
  • Facebook
  • X