コロカ事業

  1. 甲信越・東海・北陸地方一覧

山梨県甲府市 「印傳の山本」を訪ねる


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繊細さが要求される革すき

裁断された革は、革同士の厚みで膨らむことがないように、採取工程で縫製された段階で、縫製部分の厚みを押さえる、「革すき」の工程にはいります。

 

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伝統工芸の連携する柄付け

裁断された鹿革は、漆による柄付けの工程に。柄付けは、三重県鈴鹿地域の伝統工芸である伊勢型紙との連携により行われます。

伊勢型紙とは、和紙を柿渋で加工し、手彫りで模様を彫った伝統工芸のこと。この型紙の上から、漆を塗り、柄付けを行います。

 

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こちらにもたくさんの型紙があり、随時新しいデザインが作られているそうです。
また、漆を塗るへらも、注目のポイントです。使いやすい角度は個人により異なるため、職人それぞれが自分で研磨し、使い込むそうです。
漆をヘラにとるといよいよ柄づけです。

 

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力をこめてゆっくりと型紙の上から漆を塗りこめていきます。その力のかかり具合は見ているこちらにも伝わる程。

それでも、場合によっては漆の濃淡が出るため、薄い部分はピンポイントで押さえていきます。この濃淡は素人目には一切わからず、まさに職人技の世界です。

 

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柄付けされた鹿革は、温度と湿度が一定した室(むろ)で、一週間程度乾燥させるのですが、この室の構造が工房独自の企業秘密とのことで、写真撮影はNGでした。いったいどういう秘密が隠されているのでしょうか?

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