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二葉苑の江戸小紋と江戸更紗

 

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新宿の染の町

東京の新宿から電車でわずか10分ほどの場所に、「染の町」があることをご存知ですか?中井・落合界隈には、今も染めの工房や関連業者が何軒か残っています。

なかでも二葉苑は昔から名のある染め屋。細かい模様の江戸小紋や、型紙を何枚も用いて少しずつ色を入れてゆくエキゾチックな模様の江戸更紗など、型染めを専門とする染め屋です。

細やかな柄と鮮やかな彩りが美しい染め模様。今は財布などの可愛らしい小物も多く、思わず手に取りたくなります。艶やかな模様に見惚れる気持ちは、今も昔も変わらないのかもしれません。そんな染めの現場を見せていただこうと、二葉苑を訪れました。

 

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染の小道を通って

二葉苑への最寄り駅は、西武新宿線か、都営大江戸線の中井駅です。新宿方面から向かう場合は、都営大江戸線を使うのがよいでしょう。二葉苑へは駅から歩いて5分ほどです。

中井の駅周辺には、小さな店がぎっしりと建ち並び、昔ながらの商店街を思わせます。駅のそばに流れているのが神田川。川沿いには屋台風の居酒屋も並んでいたりして、どことなく懐かしい雰囲気の町です。

この駅から二葉苑へ、川の流れに沿ってのびる細い路地を歩いてゆくと、染め工房をはじめ、湯のし屋、仕立て屋といった看板をちらほらと見かけます。今も神田川沿いには染め工房がぽつぽつと残っていて、かつての街並みを思わせます。

5分ほど歩いて、立派な門構えが見えたら、それが二葉苑です。

 

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工房が併設の二葉苑

四年前に建て替えたという建物は新しくきれいです。門をくぐるとお店の横に併設されたガラス張りの染めの工房が目に入ります。外から作業風景が見えるようになっていて、中には着物の長さの布が何枚も工房いっぱいに張られ、若い職人さんたちが働いているのが一望できます。お店の中にはギャラリーもあり、着物だけでなく、小物や雑貨など染めを使った華やかな品が並びます。

現当主、4代目の小林元文さんが、こう話してくれました。

「今でも染の中心は着物、帯ですが、近年は染めた反物を使用したガマ口などの小物やスカーフな ど幅広くつくっています。和の物がだいぶ受け入れられるようになってきたのが、ここ10年ほどでしょうか。若い方たちにもっと和文化を知ってほしいし伝えられるような形のものを模索しています。」

今も二葉苑ではすべて染めの工程を手作業で行っています。30~40代と、比較的若い職人さんが多いのもこの業界では珍しいことかもしれません。

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