コロカ事業

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山形・佐藤屋の乃し梅


 

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ガラス板が生む「つるり」とした食感

「これが『乃し梅』を製造に使う唯一の機械です。」と慎太郎さんが見せてくれたのは、ただのベルトコンベア。

本来は農業用として作られたものを、そのまま転用しています。

煮立った材料は、ここで一定量ずつ木枠に流し込まれます。

木枠の底にはガラス板があり、これが「乃し梅」のツルンとした食感を生むのです。

「シリコン製の型枠を使えばいいのにという人もいますが、昔ながらの木枠のほうが味がありますよね。」と笑う慎太郎さん。

新たな挑戦をしながらも、変える必要のないところは守り通す頑固さが垣間見えます。

 

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数ミリ単位の調整で均一の厚さに

木枠に流した液体からは丁寧に気泡を取り、水平器で計りながら全体の薄さが均一になるよう調整します。

木枠を水平にするために、木枠と木枠の間に紙を挟むこだわりよう。

こうすることによってムラのない美しい乃し梅ができあがるのです。

乃し梅は、このままひと晩乾燥させたのち、乾燥室で約48時間寝かせます。

慎太郎さんがまだ小さな子供だった頃は、本店の屋根で天日干しをすることもあったそうです。

橙(だいだい)色をした乃し梅の板が並ぶ軒先は、さぞ目にも鮮やかな光景だったことでしょう。

 

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乃し梅を「泣かせない」技術

乾燥室から取り出すと、木枠のなかには完成品と同じく琥珀色に輝く半透明の梅の板ができています。

材料の配分や寝かせる時間を間違えると、表面に透明の塊ができる「泣く」状態になって商品にならなくなるため、その調整が難しいといいます。

巨大な乃し梅を板からはがしたら、慎太郎さんが生まれる前から乃し梅を作っているという職人の藤井さんが、一気に包丁で切ります。

10枚を重ねて一度にカットしますが、大きさにくるいが生じないところは熟練の腕といったところでしょうか。

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