コロカ事業
秋田県男鹿市・諸井醸造
- 店舗レポート
男鹿(おが)半島のコロカ店
東京から秋田新幹線で終点・秋田まで、さらに男鹿線に乗り込み終点・男鹿まで約6時間電車に揺られて向かいます。
男鹿線は2両編成の単線で、田んぼや八郎潟から日本海に流れ込む水路を通り進みます。車窓に流れるのどかな光景を目にすると長旅の疲れもどこかに行き、なんだか落ち着きます。
男鹿駅では、なまはげがお出迎え。駅から遠ざかるように10分ほど歩くと諸井(もろい)醸造所に到着です。
工場を構えた店頭で我々を迎えてくださったのは、三代目となる諸井秀樹さんと、息子で四代目の秀行さんです。
途絶えたしょっつる文化
さて、しょっつるのお話をうかがう前におさらいです。
しょっつるとは、タイ料理に使われるナンプラーなどと同じ魚醤(ぎょしょう)で、魚または魚介類を原料とした調味料です。
魚由来のグルタミン酸など、旨味成分が豊富です。
秋田のしょっつるは、昭和初期までは高級品でなかなか使えなかった醤油の代わりとして、家庭で作られ使用されていました。
しかし、安価な醤油が普及する一方、しょっつるの原料となるハタハタが不漁で高騰するなどして、しょっつるの製造会社が廃業していき、いつしか姿を消してしまったのだそうです。
しょっつる復活への決意
そのような状況で、なぜしょっつるを作ろうと思ったのでしょうか。
「当時は、原料にイワシなどの小魚が混じったしょっつるや、水で薄めたものなどが出回っていて、魚臭さはきついし、添加物も入っていたんですよ。
このままでは魚醤文化が廃れてしまうと思ったんです。」
さも当然のように語る諸井社長の目からは、しょっつるを復活させた自信のようなものも感じ、当時の強い決意がうかがえました。