コロカ事業
岩手県下閉伊郡岩泉町 「早野商店」を訪ねる
- 店舗レポート
食用ほおずきとの出会い
早野商店は、大正年間に個人商店として小売と食品加工を中心に創業され、1851年開催のロンドン博覧会に岩手名産・短角牛の大和煮缶詰を出品したという記録が残っているそうです。
小本川の水運を使って、三陸でとれた海産物を山間部へ、北上山地でとれた物を運ぶといった、商社のようなお仕事もされていたとか。
主力商品の一つでもある「昆布巻き」を本格的に生産しだしたのはおよそ30年前だそうですが、その「昆布巻き」にも海運業を行っていた際の謂れがあるそうです。
昔、小本川で船が転覆した際に助けてくれたのはキツネさん、そのキツネを追いかけていった先のお稲荷さんに昆布巻きを納めたという話から、この土地では昆布巻きを縁起物として製造するようになった、というお話が残っているそうです。
このように食品加工と小売りを中心としてお仕事をされていた早野商店が、「食用ほおずき」を販売するきっかけになったのは、由紀子さんがフランスで食した、彩りとして添えられた「それ」でした。
ミニトマトぐらいのサイズで黄色い果実。食べた瞬間、昔食べた事があるような懐かしい味わいが口の中にひろがり、一瞬で虜となってしまったとか。
一体「それ」がなんだったのか、探求していくうちに「食用ほおずき」であることがわかったそうです。
南米を原産とし、ヨーロッパでは古くから栽培され親しまれていたそうですが、日本では赤く実る観賞用の「ほおずき」しか知られていませんでした。
この出会いから、早野商店の「食用ほおずき」の物語は始まったのでした。