コロカ事業
岩手県下閉伊郡岩泉町 「早野商店」を訪ねる
- 店舗レポート
一次産業を核として
こうした新しい農産物への取り組みは、現在、地元の方々との交流によって拡大する動きになっています。
日本の農業において、一般的に消費されている農産品は、大量消費の名の下に低価格を競い合い、消費者もより安い商品を求め続けています。そのしわ寄せは農産物を作る生産者の方々に直結しているのです。
「安く大量に」を実現するには、収量の多い種、病気を防ぐための農薬散布が必要不可欠であり、さらには海外からの輸入という驚異から、結果として「食の安全問題」という観点からも消費者、生産者ともに悪循環となっています。
そのような状況の中、地域性と特色を出しやすい「食用ほおずき」は、その独自性から付加価値を持ち、市場に受け入れられ始めました。
現在、早野商店の「食用ほおずき」生産者は高齢の地元生産者が多いそうです。ピーマンやネギといった従来型の野菜が伸び悩む中、新たな収入源として「食用ほおずき」を栽培されています。
早野商店では、「食用ほおずき」の反響を直接生産者に伝え、生産者と一緒によりよいほおずきの生産に取り組むことにより、生産者自身の励みとなっているようです。
「自分たちは第一次産業のベンチャー企業だと思っています。」と、崇さんが語ってくれました。
早野商店は、由紀子さん、崇さんをはじめUターンで就職された店員さんが多いそうです。その思いは、地元・岩泉の自然を活かした第一次産業を核にしてなにかおもしろいことをしたいという、早野夫妻の思いの一つが結実した物なのではないでしょうか。
岩手の厳冬の中、熱い思いを感じつつ、早野商店の皆さんを写真に納めさせていただきました。
超ローカル線の旅
岩手県の広さを余すところなく味わうことの出来る岩泉への旅。最初の一歩はスケジュールの検討からです。
盛岡から岩泉へは、JR山田線・茂市駅でJR岩泉線に乗り換えて2時間40分。時間だけ見るとやや長い列車の旅に見えますが、JR岩泉線をなめてもらっては困ります。このJR岩泉線は、茂市駅との間で一日に三往復しかしていないのです。
さらにJR岩泉線は秘境駅として名高い押角(おしかど)駅があります。駅舎も風雨をしのぐ屋根もなく、周囲に民家もない、線路は前後がトンネルとまさに秘境です。もちろん一度降りてしまうと……
鉄道好きにはたまらないJR岩泉線ですが、盛岡駅からはJR岩泉線を補うように、岩泉行きの路線バスも4往復出ているのでご安心を。
どちらで訪問するにしても便数が少ないため、事前のスケジュール決定が第一歩となります。心して岩泉・早野商店へお伺いしましょう。
また、車で来訪される方以外は、同じ岩手県の陸前高田・八木澤商店とハシゴする予定でスケジュールを検討してみては。一泊する覚悟で挑んでみましょう。