『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.9 『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.9
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『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.9

Nomo

新卒で入社したCGプロダクションに在籍した後、2016年7月、3Dモデラーとしてコロプラに中途入社し、『白猫プロジェクト』のエフェクトを作り続ける。

どうも、Nomoと申します。コロプラに入社して以来、ずっと『白猫プロジェクト(以下、白猫)』のエフェクトを担当しております。思いがけずこのブログのバトンを渡されて戸惑っていますが......「いろいろなメンバーがいることを伝えたいので、コロプラに入社した理由からキャラ愛まで自由に語ってみて」ということなので、自分なりに書いてみようと思います。

私は中学生のときに見た『FINAL FANTASY VIII』の映像に魅せられたのがきっかけで専門学校のCG学科に進学し、新卒で小さなCGプロダクションに入社して、主に遊技機系の3DCG制作をするようになりました。そこには9年近く在籍していたのですがあるとき、リリース当初からプレイしていた『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ(以下、黒ウィズ)』に関する業務を担当させていただいて「こんな仕事がしたい......」と思うようになり、知人の紹介もあって転職してきました。

そして配属されたのが、リリースまもない時期から遊んでいた『白猫』のエフェクトチームでした。自分が好きなゲームの制作に携われるというのは、それだけでモチベーションになると思います。私の場合、2Dキャラ誕生の瞬間に立ち会えたり、シナリオライターが書いた設定書を見たりするとテンションが上がりますし、実際、そういうキャラ愛を大事にしながら、"最後、エフェクトでいかに盛り上げられるか" という視点で考えて作ることが基本なっています。

これまでのエフェクトブログで、ヤマさんが「中二力(ちゅうにりょく)」、ワタさんが「キレイめ」のエフェクト制作が得意という話がありましたが、その流れで言うと、私は「かっこいい系」のエフェクトを作るのが好きです。たとえば「カルマ」の場合、電脳ハッカー的なキャラですので、"ハッキングに成功して爆発させる" という流れを頭の中で考えて形にしました。

私はふんわりとした繊細なデザインの逆というか、わりと境目がはっきりした感じのスキルや魔法陣を作ることが多いです。たとえば赤に対して緑とか、黄色に対して青とか、相対的な色を使う感じでしょうか。

と言っても、女の子キャラが多い『白猫』ではキレイめの表現が求められることも日常的にあるので、そういうデザインもします。ただ、かっこいい系を作るときと比べると筆の進みが若干遅くなるというか......最終的にユーザーさまに響く表現ができればいいのですが、着地するまでは結構悩みながら作っています。

逆に筆が乗るのは、かっこいい系の男の子キャラを担当するときです。とくに思い入れが強いのは「ウェルナー」というダークヒーローで、初代から最新のイベントまですべて担当させてもらっています。『白猫』エフェクトチームでは、イベントごとに担当したいキャラを聞いてもらえるので、ウェルナーは私がやりたいと手を挙げました。ただ、最初から問題が発生しました。

初代ウェルナーが出たとき、彼はストライカー(人型ヴァリアント)の2人目だったのですが(ちなみに1人目は「レクト」)、この2段階変化をすることによってメモリーが爆発しまして、リリース直前まで「なんとかしてこのかっこいいキャラを出したいが、メモリーが通らない......」と試行錯誤を繰り返していた記憶があります。言ってしまうとイケメンのウェルナーだから耐えられたというか......甘く、ほろ苦い思い出です。
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さらに、『オーバードライブ紅蓮4 The Evolver』(2021年1月13日〜2月12日開催)で出たばかりのウェルナーも、また別の観点から私を大いに悩ませました。気づけば4回目の登場なので新しい魔法陣を考えるのが容易ではないのと、"好きなキャラの再登場、大きな変化は起こしてほしくない" というファンの方々の思いも感じつつ、一方で何かしら新しくしないといけない......といった様々なせめぎ合いがありました。筆が走る話をしていたはずが、苦労話になってしまいましたね(苦笑)。結局、今回の魔法陣は初代からのデザインを踏襲しつつ、演出面でちょっとした変化をつけて着地させました。

あと私はモデラー出身なので、モデルを作るほうが面白い武器スキルになりそうだなと思うときなどはプラスアルファでモデルを作ってしまいます(全部を1から作るというわけではなく、背景オブジェクトを流用することもあります)。限られた秒数の中で新しい演出を入れる必要があるわけですが、私の場合、エフェクトを作るというよりは大道具や小道具を配置するような感じでモデルを作るほうが速く、状況説明がしやすいと思っています。

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さて、これまでのブログに沿って、私も「『白猫』エフェクトデザイナーに必要な力」について、まとめてみようと思います。あくまでも私の場合ですが、

◯ キャラ愛......70%
◯ 引き出し(中二力)......20%
◯ その他(デザインに関する技術、コミュニケーション能力)......10%

「キャラ愛」は前述したとおりですが、「引き出し」については、やはりゲームやアニメが好きで、日常的に空想してしまうような人がこの仕事には向いているのではと思います。私にとって『白猫』のエフェクトは、現実世界では使えない魔法を使えるようにしてくれるものであり、それを自分で考えて作れるこの仕事は、本当に楽しいものだと思っています。

それから「その他」について。まず「デザインに関する技術」の詳細は他の記事で見ていただくとして、ここでは「コミュニケーション能力」についてお伝えできればと思います。

『白猫』では通常イベント以外にも、たとえばVer.3.0アップデートなど、様々な案件が同時進行で動いています。とくに大きな施策や新しい演出機能が追加されるときは実装が絡むので、どんなエフェクトをどういう形式でいつまでに作るべきか、いろんなセクションと根気強く話し合いをしながら進める必要があります。そのときはエフェクト云々の力ではなく、コミュニケーション能力が求められます。

また、前職ではいろんな企業から制作依頼をいただいていて、クライアントに言われた通りに作ったり修正したりするのが仕事でしたが、コロプラでは案件ごとに各セクションの担当が集まり、職種の垣根も越えて意見を言い合いながら作る文化がありますので、コミュニケーション能力は不可欠です。

私一人で作れるものではなく、みんなで作る作品なので、可能な限り粘って作ります。具体的には、プランナーやシナリオライターが考えた企画から2Dキャラが誕生してキャラ班がモデルを作り、モーション班がアニメーションを作り......というふうに、ほかのセクションが作ってくれたところに私が魔法陣を載せることになりますので、まずはエフェクトが邪魔をしないように気をつけて、それでいてしっかり盛れるようにしたいと思っています。

日々メモリーやスケジュールとの戦いはありますが、その中でもちょっと凝った演出を考えたいというか。そして、それがちゃんとユーザーさまに届いて、SNSなどで「この演出がかっこよかった!」と書いていただいているのを見かけたりすると、やはり一番テンションが上がります。

今後も引き続きコロプラ社員の仕事内容ややりがいなど、様々な情報を発信していきます!

ぜひご期待ください!

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