『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.11 『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.11
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『白猫プロジェクト』エフェクトデザイナーブログ Vol.11

Sai

理系の大学を卒業後、美術系の専門学校に進学。2016年4月、コロプラに新卒入社。『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』のエフェクトを担当したのち、『白猫プロジェクト』のエフェクトチームに異動。現在はマネージャー補佐も務める。

『白猫プロジェクト(以下、白猫)』のエフェクトデザイナーをしています、Saiと申します。

学生時代、合同企業説明会で偶然出会ったコロプラに入社して早5年が経ちました。新卒研修後の約2年半は『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ(以下、黒ウィズ)』のエフェクトを作り続け、その後、2019年1月に『白猫』のエフェクトチームに異動しましたので、『黒ウィズ』と『白猫』のエフェクトをおおよそ同じくらいの期間、作っていることになります。

そこで今回のブログは、以下のINDEXで書いてみました。

1 自己紹介(入社当初の振り返りと、基本的なスタンスのお話)
2 社内の異動で感じたこと(『黒ウィズ』から『白猫』へ)
3 『白猫』新ガチャ演出制作のハブ役として
4 ゲームクリエイターとして、大切にしていること

ご関心のある項目だけでもご覧いただければ! と思います。

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僕は専門学校で2Dソフトの基本操作は学んでいたものの、現在メインで使っている3Dソフト(Autodesk Maya)は入社前ほとんど使ったことがありませんでした。そこで『黒ウィズ』チームに配属された当初はモデル、モーション、エフェクトを教えていただきつつ制作しているという感じで、世に出るものをなかなか作れずにいました。

参加していた企画が流れたことなども重なり、ようやく自分が作ったものがゲームに実装されたのは10月、入社から半年が経過していました。同期の中でも一番遅かったと思います。それは『黒ウィズ』の2周年記念イベント『Gate Defenders Soul of Kings』の協力バトルのドラゴンのうちの1体(ヴィロムコ)で、モデルとモーションはできている状態で、エフェクトの一部を担当しました。苦労しながらもなんとか完成させて、リリースされたときはテンションが上がり、ユーザーさまの反応などにも感動して、とても嬉しかったです。

ただ、余談にはなりますが、僕がそのとき一番思ったのは「このドラゴン、強いな」ということでした。エフェクトを作った苦労より、いちプレイヤーとしてドラゴンが強かったという印象が大きいんですよね(笑)。このように、嬉しさや達成感より「倒せないな、倒せないな......」といった苦労した経験のほうが大きく印象に残ってしまうのは、僕の性格によると思います。

イメージしやすいように少し個人的なことを書きますと、僕はPlayStationの「トロフィー」を獲得するために、できる限り頑張るタイプのプレイヤーです。せっかく作られたものがあり、せっかく買ってもいるので、最後までやり込もうという思いから100%獲得を目指すというのが基本的なスタンスです。

たとえば、1万体の敵を倒すと獲得できるという(気力とプレイ時間を最も要する)トロフィーがあり、1バトルで最大で3体しか出ない場合などは「1日xx回バトルをして、毎日xx体は倒す」といった目標を立て、達成するまで頑張ります。

ちょっと話が逸れた気もしますが、「いろいろな人がいることを伝えるブログなので、自由に書いて」というこのブログの流れに沿って、書かせていただきました。ちなみに好んでプレイするのはRPGが多いです。

そうして2年半ほど『黒ウィズ』チームでエフェクトを作り続けていたのですが、あるときブラザーから「ゲームクリエイターたるもの、アクションゲームは作ってみるべきだよ。『白猫』チームに行ってみたら?」とアドバイスをいただきました。改めて考えると、僕は新卒入社して以来、カードゲームの『黒ウィズ』の作り方しか知らなかったのはたしかで、「ほかのチームも見てみたいです」と上長に相談したところ、異動することができました。タイミングも良かったと思います。

異動してまず思ったのは「(チームが違っても、やはり同じ会社に所属している)コロプラの人たちだな」ということでした。うまく言えませんが、一緒にいて面白いのと、全体的にやわらかい雰囲気が似ていると感じました。

一方で、仕事の進め方や考え方は結構ちがって、若干ショックを受けました。少し具体的に言うと『白猫』はアクションゲームなので、プランナーの意図する触り心地を都度プランナーに確認しながら作る必要があり、『黒ウィズ』とは制作の流れが全然ちがいました。それ以外にも他セクションとの関わりがかなり密で、エフェクトチームだけで完結するものがほとんどなく、当初は確認漏れなどの失敗もありました。そんなときは日記(入社以来、スプレッドシートにまとめている個人的なもの)に反省点を書いて、次に生かすように心がけました。

また、『黒ウィズ』ではカメラの動きに合わせて決まったアングルでエフェクトを作っていましたが、アクションゲームの『白猫』は360度どこからでも見せられる作りをしないといけないので、り方、考え方、スケジュール感覚などを自分の中でリセットする必要がありました

そうして2年半が経ち、最近では『白猫』の新ガチャ演出制作のハブ役(各セクションの進行状況を把握しながら、スケジュール通りに着地させるまとめ役)をさせていただきました。

まず企画の全体像をお伝えしますと、先日の7周年(2021年7月14日)を機にガチャでキャラクターが登場する際の演出を一新しました。『白猫』ではこれまでにも期間限定でガチャ演出を変えることはありましたが、リニューアルは初めてのことでした。

大まかな流れやパターン分けを含むベースの部分はプロジェクトマネージャーやアートディレクターを中心に決まっていましたが、僕は演出の詰めの段階で、ハブ役としてアサインされました。

この映像は、プランナー、エンジニア、モデラー、モーションデザイナー、背景デザイナー、サウンド、そしてエフェクトデザイナーがそれぞれの技術を持ち寄って作ったものです。僕は雲や太陽光、花火といったエフェクトも作っていますが、今回は作る側というよりはまとめ役としての動きをするようにしました。

各セクションが作ったものを合わせたときに足りない要素がないか確認し、問題があれば補足していきました。だれかが全体の進行状況を見ておかないと、十分な制作時間を確保できなくなったり、ほかのセクションの業務が止まってしまったりすることもあるので、連絡はマメにするようにしていました。

制作過程ではいくつか課題もありましたが、一つひとつクリアしていきました。そしてとくに不具合等もなくリリースでき、ユーザーさまから喜びの声が届いたことが(TwitterやYouTubeのコメント欄など見ています!)、ここ最近で一番嬉しいことでした。

最後に、この5年間を振り返りながら、僕がゲームクリエイターとして大切にしていることをまとめてみたいと思います。

『黒ウィズ』チームにいたとき、ある先輩からずっと言われていたことがあります。

「仕様を視認できるものを作れ」

言い換えると、「エフェクトによって、ゲームの仕様(例:属性、攻撃スキルなのか回復スキルなのか、攻撃範囲など)が視認できるようにせよ。それがプレイしているときの爽快感、快適性につながる」ということなのですが、これは今でもエフェクト制作の軸になっています。とくに『白猫』はアクションゲームなので、攻撃範囲の視認性は常に意識して作っています。

ちょっとトロフィーの話に戻りますが、僕は新しいゲームをプレイし始めたら、トロフィーを獲得するために、そのゲームを1ヶ月、2ヶ月やりこむことになります。いや、トロフィー機能のないゲームでも、おおよそやりこみます。するとなんとなく、「こういう動きだと、攻撃範囲はこれくらいの大きさ」という感覚がわかってきて、逆にそれが当てはまらない場合は「この攻撃、当たるんかい(避けづらい)」と思ったり、ときには「これ理不尽じゃない?」とイライラしたりします。また、「このゲーム、こうなるのか」と納得したり、「こういう手、アリね」といった感覚も身についてくるので、『白猫』についても「この攻撃なら、こういう攻撃範囲がいいのでは」と考えて作るようになっています。もはや一種の職業病みたいな感じですが、ゲームをたくさんプレイしたり、エフェクトをたくさん作ったりしていく上でわかってきているような感覚があります。

また、仕様の視認性を大事にするだけでなく、魔法陣やスキルなどにそのキャラらしい要素を入れたり、ちょっとした小ネタのようなものをひそかに入れたりしていますので、そういうものを見つけて、楽しんでいただけるといいなと思っています。


おかげさまで、『白猫』は7周年を迎えました。運営チームからユーザーさまに直接お礼をお伝えする機会はなかなかないのですが、プレイしてくれる方がいるからこそ今の『白猫』があると思っています。

『白猫』は今後も進化し続けていきますので、引き続き、よろしくお願いします!
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