コロカ事業

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酢飲 博多あまおう


 

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酒から生まれた酢

「もともと"酢"は酒から作ると書くように、お酒をつくって置いていたら菌が入って酢になったものが起こりと言われています。」

シンプルに言えば、日本酒に酢酸菌を入れて発酵させると酢ができます。酢も酒も原料は米と水。筑後平野は言わずと知れた米どころで、高橋家の2代目がこの豊富な米を使って酒屋を興し、4代目の清右衛門が1711年頃から酢をつくり始めたのだそうです。

高橋さんご自身が「一精」という名であるように、高橋家には代々「精」「清」のいずれかの一文字を名前に入れるのが習わしなのだとか。酢の原料となる米や水を大切にするご先祖様の教えの表れです。

 

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庄分酢の原点"黒酢"

高橋家には、代々伝わる酢の製法が記された家伝書が残っています。戦争中、米がなかった時代を除けば、この家伝に忠実に酢づくりを行ってきました。庄分酢の主力商品で、原点とも言えるのが"有機玄米くろ酢"です。

"有機玄米くろ酢"の仕込みは春と秋のお彼岸で年に2回。店の奥にいくつも並ぶ、土に半分埋まった状態の甕(かめ)を使います。土に埋まっている仕込み甕は太陽熱を吸収して上半分は暖かく、下半分は涼しく保たれます。

この甕のなかで、麹菌が米を糖化させ、酵母菌の作用で酒となり、酢酸菌の働きで酢になる、という具合。3ヵ月間の発酵期間の後、熟成期間を経てじっくりと造られます。

 

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菌の働きでつくられる酢

"有機玄米くろ酢"以外にも、純米酢や醸造酢が一年中つくられています。訪れた日はくろ酢の仕込み時期ではなかったため、大きな木桶の並ぶ蔵へ案内していただきました。蔵へ入ると、ふわっと麹の香りがします。

長年酢づくりを行ってきたこの蔵には、「蔵付き菌」と呼ばれる菌が住みついていて、空気中のそうした菌が自然と槽に入って美味しい酢をつくるのだそう。槽の中を見せていただくと、表面に乳白色の菌が張っています。これが酢酸菌。時間がたつと沈殿していき、液体部分が酢となるのです。

酢の職人さんたちは、こうした微生物の作用を生かすために、ひとつひとつの槽に手入れをします。暑い時には蔵の戸を開け、寒い日にはむしろを巻くなど調整しながら発酵させるのです。

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