コロカ事業

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宮崎果汁のグァバドリンク


 

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8月のグァバ

宮崎果汁ではハウス栽培を基本とし、奥行き70メートルのハウスが8つ連ってあり、1200坪ほどの土地で年間10~15トンのグァバの実を収穫しています。その内の8割が7~9月に収穫されるのだそうで、残りの2割は1年中バラバラと実を付けるのだと言います。

「剪定を11~12月頃にするんですよ。そうすると今くらい(2月)に剪定したところから新芽が出始めて、ゴールデンウィーク前に開花のピークになる。花が咲き、実がなり、7~9月頃に完熟した実が落ち始めるんです」

と大迫さん。

1年中収穫は可能ですが、宮崎果汁で栽培されているグァバは8月下旬に収穫される完熟の物が最も美味だと言います。

 

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500分の6の幸運

もともと、大迫さんがグァバを作るきっかけとなったのは、行政の呼びかけでした。

昭和53年、行政の提案で宮崎県内の43軒の農家がグァバの栽培に挑戦することに。大迫さんを含めた各農家は、期待と不安の中、それぞれ500本ずつグァバの苗を買い、栽培を開始します。

しかし、その年の冬にはほぼ全滅。比較的寒さに強いとはいえ、グァバの木は熱帯果樹。やはり高温多湿で育てなければならなかったのでしょう。

大迫さんのグァバの木も然り、500本中の494本は1年経たずに枯れてしまいました。

しかし、たまたまキュウリ栽培用のハウスの中に植えていた、残りの6本は枯れることなく順調に成長。苗を植えてから10ヶ月後には実をつけ始めました。

 

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グァバの加工品に活路を見出す

グァバの果実は足が速く、完熟のものだと2~3日で傷み始めてしまうため、生食用として売るのは難しい。大迫さんは、この6本の木から取れたグァバをどう処理すべきか頭を悩ませます。

考えた末、グァバの実を家庭用ミキサーですり潰し、ピューレ状にしたものを鹿児島の有名な観光ホテルへ持っていくことに。

「ただ引き取ってくれるだけで良いと思ってたんです。用途がわからないから売ろうとなんて考えてなかった」

と大迫さん。

結果、そのホテルの料理長が味見して「これはお金を払うべきだ」と判断。その道のプロがグァバのピューレを認めてくれたのです。

この反応に手ごたえを感じた大迫さんは、グァバ栽培の継続を決意。更にグァバの加工品に活路を見出すべく、ジュースの製造を本格始動させたのでした。

 

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まだまだ発展途上

しかし、グァバの栽培は国内での事例がないためほぼ独学。手探りで独自の栽培方法を築き上げていくしかありませんでした。

また、ジュースに関しても同様。繰り返し商品改良を重ね、やっとのことで今のグァバドリンクにまでクオリティーを高めてきたのでした。

グァバと出会い30数年たった今でも、栽培、加工ともに発展途上だと大迫さんは話します。

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