コロカ事業

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長崎・一まる香の茂木ビワゼリー

 

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博多から小旅行

博多から「特急かもめ」に乗り約1時間、肥前鹿島駅を過ぎると左手に有明海が見えてきます。

独特な生態系で知られる有明海の入り組んだ沿岸部の風景をしばし堪能していると、諫早(いさはや)湾に入る辺りで干拓事業により作られた大きな水門がゆっくりと姿を表します。

水門を過ぎると列車は内陸部へ入り、諫早駅を過ぎてややすると長いトンネルへ入り、トンネルを抜けると長崎駅へいよいよ到着です。

ここまで博多駅から約2時間、JR九州と工業デザイナー水戸岡鋭治氏らしさの詰まった「特急かもめ」との小旅行もここでお別れ。

目的地の「茂木一まる香本家」へは、さらにバスで移動します。

長崎駅前はバス停が多く、間違えやすいので注意しつつ、長崎駅前南口バス停より「茂木」行きのバスに乗り約25分で茂木バス停に到着です。

バス停から「茂木一まる香本家」は目と鼻の先、「一○香」と書かれた大きな看板を目印に1、2分程歩くと6代目の榎巍(えのきたかし)さんが店頭で焼き菓子を焼きながら出迎えてくれました。

 

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シュガーロードの出発点

茂木一まる香本家は1844年(弘化元年)で、初代・榎市衛門(えのきいちえもん)氏によって創業されたのが始まりまでした。

江戸時代、長崎に限定されていた海外との交易の結果、長崎を出発し大村〜嬉野〜佐賀〜鳥栖〜飯塚を経由し小倉へ至る長崎街道は、中国とヨーロッパを結んだシルクロードのように、西洋の文化を江戸へ伝え る重要な道として栄えました。

南蛮菓子と呼ばれた海外製のお菓子や、その材料となる砂糖や小麦もこの長崎街道を通り、大阪/京都/江戸へと運ばれたそうです。

その結果、別名「シュガーロード」と呼ばれるようになりました。

茂木一まる香本家の社名にも掲げられる商品「一○香」は、中国の船乗りが所持していた保存食「唐饅(とうまん)」がルーツと言われています。

長崎港を目指していた中国船が、濃霧のため間違えて茂木港に上陸した際に所持していた唐饅を元に、雑貨商であった市衛門氏が改良工夫したものが、「一口香(いっこっこう)」として販売を開始したのです。

 

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不意打ちのお菓子

見た目は焼き色の付いたお饅頭のようですが、手にすると予想外にしっかりとした手触りで、非常に軽いという印象を持ちます。

早速、一口食べるとバリバリっとした歯ざわりと共に香ばしさがひろがります。

この一口食べた香ばしさから、一口香の名が付けられたのだそうです。

と、次の瞬間、お饅頭だと思っていたお菓子は不意打ちを仕掛けてきます。

中身はなんと空洞なのです。

薄い皮の裏側には飴状になった黒砂糖やはちみつ、ごまが張り付いていて、皮と一緒にほんのりとした素朴な甘さが口の中に広がります。

保存食としての出自を持つ一口香もやはり保存がききますが、名前の由来である香ばしさを楽しみかつ、美味しく食べるためには、オーブントースターで軽く温めてから、少しおいて冷めかけを食べるのが美味 しいそうです。

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