コロカ事業

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沖縄県国頭郡金武町「金武酒造」を訪ねる


 

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名物・田芋で腹ごしらえ

「田芋」とは、里芋のような見た目ですが、きれいな水でしか育たない芋で、湧水の豊富な金武町の特産物です。

植物繊維やカルシウムなどの栄養素が豊富で、親芋の周りに子芋がたくさんつくことから、子孫繁栄の食材とされ、祝い事には欠かせない縁起ものです。

「田芋膳」には、つぶした田芋に豚肉やしいたけをまぜて揚げた「どぅる天」や、「田楽」「むじ汁(田芋の茎が入った味噌汁)」などが並びます。

一つの食材から作られた数々のメニューを目の当たりにするとレパートリーの豊富さに驚きです。そのどれもがおいしく、芋のホクホク感と粘り、さらにシャクシャクした茎の食感を楽しめます。

そんな、滋味深い沖縄の味を堪能しながら、豊川さんのお話を伺いました。

 

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鍾乳洞を古酒蔵に!?

金武酒造では鍾乳洞を古酒蔵として利用し、泡盛を貯蔵しています。なぜ、そのようなことを考えられたのでしょうか?

二十数年前、山梨で廃線となった路線のトンネルをワイン貯蔵庫にしているのを知り、ふと、子供のころ見学した金武鍾乳洞で貯蔵してみたらいいのでは。と、ひらめいたそうです。

金武鍾乳洞は修学旅行やツアーで必ず訪れるほど有名な鍾乳洞でしたが、南城市の玉泉洞が見つかってからは、ずっと放置されていましたそうです。

 

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あらゆる障壁を乗り越えて

金武鍾乳洞は、龍神信仰の発祥地でもあります。地元の人から祈りをささげられている場所であるため、豊川さんの親族から鍾乳洞を古酒蔵にすることは反対されていたそうです。

また、法律上の問題も立ちふさがりました。工場と異なる土地にお酒を保存するという前例がなく、酒税法を管轄する国税庁でも対応の仕方を判断できなかったそうです。

そんな状況を一変させたのが、発酵学の大家である小泉武夫先生の沖縄での講演でした。小泉先生の話を聞き、相談してみたところ、古酒の貯蔵条件に鍾乳洞がピッタリだと聞いた豊川さんは、その瞬間から、あらゆる障壁を乗り越え、問題を解決し、鍾乳洞の古酒蔵化を実現させる決意をしたのでした。

「前例がないことをすることは、日本で1番というお年玉がついてくるって考えたら、やってみればいいと思えたのよ。」と、話された豊川さんの笑顔は非常に印象的でした。

 

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