コロカ事業

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岡山・清水白桃ゼリー


 

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あっという間に到着

志ほやで我々を出迎えてくれたのは、専務取締役の中塚英子さん。いずれは志ほやの5代目を継ぐ方です。

志ほやは大正2年(1913年)創業の老舗で、もとは入浜式の製塩業を営んでいた浜庄屋なのだそう。しかし太平洋戦争間近い昭和14年、経済統制の影響を受けやむなく廃業。戦後になってから店を再建し、贈答品の販路の拡張へと乗り出しました。特に地元岡山県の果物を扱う業者として発展を遂げていくことになりますが、同店では今も創業当時に開発された「塩むし桜鯛」をはじめ、「さわらのみそ漬」等、さまざまな珍味を販売しています。

そんな志ほやが2011年、満を持して発売したのが清水白桃ゼリーです。清水白桃は水蜜桃、紅玉桃、岡山白桃など岡山県内で栽培される数々の桃のなかでも特に果肉が白く緻密で、種のまわりまで甘いという岡山の桃を代表する最高級ブランドです。その旬は約1週間と短いものです。清水白桃ゼリーは、そんな清水白桃をいつでも食したいという声に、見事応えています。

 

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県下に轟く「清水白桃」

岡山県で桃の栽培が始まったのは、明治時代です。明治32年に新種の白桃が発見されたことをきっかけとし、気候の温暖なこの地で桃の栽培が本格化していきました。これが一般的な岡山白桃となります。

志ほやがゼリーに用いるのは、時代を下って昭和初期に岡山市内で見つかった清水白桃です。数ある桃のなかでも特に糖度が高い清水白桃は、果肉が柔らかく、繊維質が緻密なため食感が良いとされる品種です。その反面、熟期が7月下旬~8月上旬と需要の高い時期となるため、他の桃に比べ値段が高くなります。

中塚さんは、そんな清水白桃の魅力を「気軽に、幅広い年齢層の人たちに知ってもらいたい」と、ゼリー開発に着手した経緯を語ってくれました。

 

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農家泣かせの繊細さ

しかし、清水白桃には栽培が難しいという難点があります。同店でインターネット販売などを担当する清水大輔さんによると、「清水白桃は実の核となる部分が繊細で、雨や冷えが原因で落ちることが多い」と言います。

だからこそ、と清水さん。「ゼリーにする際には、できるだけ生の食感に近づけたかった」と語ります。そのために、桃以外の材料にもこだわりを見せています。水は「癖がなく、余計な味のしないものを」と高知県を流れる四万十川の源泉で採ったものを使用。砂糖は甘味のさっぱりした北海道産の甜菜(てんさい)から採れたものを使っています。

かまた、フルーツゼリーは通常、果肉を見せるためにゼリー部分を透明にしますが、志ほやのゼリーはここにも白桃のペーストを練り込むことで、どこを食べてもより本物の「桃」を味わえるよう工夫しています。

 

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清水白桃に感じる「可能性」

そんな清水白桃ゼリーは、今や志ほやの看板商品です。中塚さんは「海外の友達に会いに行くときのお土産にという方や、入院した方が『どうしても今、桃を食べたい』と言った場合など幅広く食べていただいている」と言い、清水さんも「清水白桃を知るきっかけという意味で可能性を感じている」と話してくれました。

お店まで足を運べば、さらにお手軽になった清水白桃ゼリー。一度でも口にすれば、清水白桃で作ったゼリーしか味わえない、甘くとろける果肉と舌触りを堪能できます。

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