コロカ事業
栗尾商店の鳴門金時菓子
- 店舗レポート
二代目の発展
初代・常一さんが考案したうず芋は、二代目・善四郎さんにより全国区の知名度を得ることになります。
出張がてら初めて東京見物に出たある日、銀座の一等地でさつまいものお菓子が販売されていることを発見しました。
それまでは、田舎のお菓子は東京では売れないと考えていたのだそうです。
さつまいものお菓子が銀座でも売れるならば、鳴門金時で作られたうず芋なら絶対に負けないと確信し、なんとか販路をつくろうと準備に奔走しました。
そんなある日、東京のお菓子製造会社から「うず芋を東京で販売したい」という問い合わせがあり、思いがけず東京での販売が開始されました。
うず芋はクチコミで徐々に評判となりはじめたある日、思いも寄らない連絡が入ったのです。
三越本店のバイヤーから連絡が入り、日本橋三越での取り扱いをしたいというものでした。
製造量や当時の輸送期間の問題から徐々に始めた日本橋三越での取り扱いですが、阪急、高島屋等の有名百貨店や紀ノ国屋等高級スーパーと販路はどんどん広がっていきました。
貞光から生まれたうず芋は徳島を、そして四国を代表する銘菓となっていったのです。
三代目の思い
三代目・実太郎さんは、幼少の頃から三代目を意識し、東京の大学に進学後は東京・神田の老舗和菓子屋さんで4年間修行を行い、その後栗尾商店の関東圏セールスマンとして販売を経験し、30歳の時に徳島へ戻りました。
二代で築いてきた「鳴門うず芋」のブランドを元に、従来通りのうず芋を製造する一方で、うず芋の新しい形を模索し、新商品の開発を手がけたのです。
当初は二代目に反対された新商品開発ですが、その反対を押しての商品開発でした。
秋に収穫される鳴門金時を原材料とするうず芋は、9月からが最盛期となる一方で、春から夏にかけては閑散期になります。
暖かい時期だからこそ、焼き芋のようなイメージを想起させる商品として、うず芋を短冊状に切り、炙ることで香ばしさを出した「炙り金時」を開発したのです。
夏季限定の「炙り金時」は人気商品となり、二代目に仕事を任されるようになりました。
また、うず芋自身も海外の製品基準を評価する賞を五年連続で受賞するなど、80年の歴史を世界が認めた形となりました。
「毎日同じ仕事を手作業で繰り返します。従業員それぞれが気持ちをしっかりもたないと、マンネリ化して品質に影響が出てしまう。毎日の作業に誇りを持ち、やり続ける。人の口に入るものだからこそ、高い意識を持って仕事に当たらないといけない。そうすることで、100年続く会社になって、ようやく老舗と呼んでもらえると思います。」と、実太郎さん。
変わらぬ製法、変わらぬこだわりを持っているからこそ、時代の変化に合わせた安心・安全で、愛され続ける商品を提供し続けられるのでしょう。
徳島北部の旅
徳島線を徳島方面へ10分ほど移動した穴吹駅周辺では通常おみやげの「たらいうどん」が入手できます。
その穴吹駅からは電波状況により難しいので、北へ数キロの脇町IC付近へ移動すると「うだつジオラマ」が入手できます。
さらに、穴吹駅より徳島へ50分ほど進んだ府中(こう)駅は、コロカ提携店舗・長尾織布合名会社の最寄り駅となっています。
今回の主役・鳴門金時はやはり栽培地である鳴門市まで行かないと取得できませんので、徳島線を徳島まで乗り、鳴門線で終点・鳴門付近まで移動する必要があります。
阿波池田に戻り、土讃線にのり特急の到着する大歩危駅で下車すると、通常おみやげ「祖谷温泉の湯」や「かずら橋フィギュア」が取得できる、祖谷渓(いやけい)への入り口になっています。
もし時間があれば、一日に数本出ているバスに乗り秘境・祖谷渓を旅するのも楽しいかもしれません。
車であれば、四国のおへそらしくどの県の中心地へも時間がかからず移動できるので、車でも電車(場所によっては気動車)でも旅が楽しめます。