コロカ事業
栗尾商店の鳴門金時菓子
- 店舗レポート
製法もこだわりを
「鳴門うず芋」は機材こそ最新のモノを導入していますが、作業は昔ながらの製法にこだわり、ほぼ全行程を手作業で行っています。
1.切断
鳴門金時の切断はすべて手作業で行われています。3名体制で一日約1.5トンの鳴門金時を切断します。
手作業にこだわる理由はその切断面。
機械切りだと表面がなめらかに切れすぎてしまい、蜜床に漬けたときに蜜が浸透しにくくなります。
一方で、手切りならば切断面が一定にならず、蜜が浸透しやすくなり、食感の良さにもつながるとのこと。
「時間と手間がかかっても、味のためには手切りが一番。」と、実太郎さん。
2.アク抜き
水源の森百選に選ばれる「剣山水系」の地下水で一晩流水にさらされます。
この工程でアクが抜けてすっきりとした味になります。
3.蒸し
一晩水に付けアクを抜いた芋を蒸します。
蒸し上げられた芋はそのまま蜜床に漬けられます。
4.蜜床に漬ける
蜜床への漬け込みは、約半日1回だけです。何度も漬け込んでしまうと、浸透圧により芋の旨みが外へ出てしまうからです。
芋の本来の旨味・風味・甘みを逃さずに、蜜の旨みだけを吸収させます。
さらに、この蜜床は80年前から鰻屋のタレのように、秘伝の蜜を継ぎ足しながら使用しています。
昔は毎日火入れをして保ってきた蜜床ですが、現在は工程が機械化され、さらにいつ蜜につけたのかトレースする事が可能になっています。
伝統の製法へのこだわりだけではなく、食に対する安全性に対する配慮も同時に行なっています。
5.砂糖をまぶす
蜜を一旦切った芋は、一枚一枚手作業で砂糖を付けます。
この工程も手作業で入念な作業を行います。
6.乾燥
乾燥の工程は昔から自然乾燥で行われておりましたが、食の安全を守る意味でも、余計な菌が付着しないよう、オリジナルの無菌乾燥機を製薬技術を持つ会社と共に開発し導入しています。
さらに、機械だけではなく従事する社員が一丸となって、安全に対する意識向上するべく勉強会も実施されているそうです。
7.袋詰め
熟練工が一枚一枚、手作業で乾燥したうず芋を袋詰めしていきます。
全行程で人の手が入るため、決して安い商品にはなりませんが、実太郎さんはおっしゃいました。
「安全はただでは買えません。安くて良いものは得がたく、しっかりした商品はそれなりの価格になります。」
その言葉からは、商品に対する自信と、昔ながらの製法に対するこだわり、さらに新たな技術への挑戦への思いが伺えました。