コロカ事業
竹虎の虎斑竹細工
- 店舗レポート
世界で1社
「とにかく虎竹を知ってもらいたかったし、世に出ている虎竹の製品は全てウチで作っていること知らせたかった。」と四代目は話します。
おそらく、虎竹や虎竹製品を目にしたことがある人は多いはずです。しかし、それがどこで作られているか、ほとんどの人は知りません。ましてや、作っている会社が世界で1社しかないことも知らないはずです。
「こりゃあ知らせなあかん。」と、売ることより知ってもらうことを重点に置いて、四代目がとった手段はインターネットでした。
ネットはタダやき
「金もない、人もいない、自分らでやらなあかん。そうなったらネット以外にやりようがない。ネットはタダやき。」と、1997年から竹虎はホームページを立ち上げました。
ホームページをはじめると、多くの人から様々な問い合わせがきはじめます。
「こんなサイズはないですか?」、「こんな仕様にならないですか?」と、問い合わせに答えていくうちに、どんどん新しい商品が増えていきました。
「もともと男用女用の2種類しかなかった竹皮ぞうりが、今は11種類に増え、その他商品もトータルすると全部で600種類ほどになる。」と四代目。
2005年に正式に社長として就任した四代目はさらにインターネットに力を入れ、顧客のニーズに答えながらの商品開発で、どんどんファンを増やしていきました。
2章の【竹虎の朝】でも書いたように、その姿勢は今でも変わりません。
仕事に誇りを
竹虎では10年ほど前より、インターンシップを行っています。
大学生に虎竹を知ってもらいたい。そして、竹職人の高齢化の現状を知ってもらいたいという思いから始めたインターンシップ。この取組みが竹虎をさらに元気にしました。
インターンシップの中で見せる職人さんの仕事の一つに縁台の組立があります。そこでは四万十かずらという森の中で自生している「つる」を使い、竹の組み立てを行うのですが、職人さんにとっては何十年も繰り返し行っている当たり前のこと。
ですが、大学生にとって、目に見える技はとても新鮮で、まさに熟練の技でした。
「自分たちは中学までしか出ていないのに、大学生が来て"おばちゃんすごいねー"と言ってくれ、教えを請うてくれる。」、「これうれしいちゃあ。」と言う職人さんの声を聞いた四代目は「こりゃ続けなあかん。」と、今日まで11年も続けてきました。
職人さんたちが当たり前だと思ってやってきたことは凄いことなのだと自覚してもらい、仕事に誇りを持ってもらう。大学生はもちろん、竹虎の職人さんたちの為にもインターンシップはこれからも続けていくそうです。