コロカ事業
長野・千曲の杏もなか
- 店舗レポート
甘酸っぱい杏のもなか
ジャムやドライフルーツなど、加工品として私たちにも馴染みの深い杏(あんず)。しかしその多くは輸入品で、国産の杏は、長野県と青森県の一部のみでそのほとんどが生産されているという希少なものです。そんな中、杏の生産地として知られる長野県千曲市で、約60年にわたり地元の杏を使った和菓子を作り続けているお店があります。「長坂製菓 杏花堂」です。
店内にはさまざまな杏菓子が並んでいます。「杏もなか」は、パリッとしたもなかの中に、見た目にも美しい、透き通ったオレンジ色のアンズ餡がたっぷり入った店の看板商品。杏のキリッとした酸味と、バランス良く配合された上品な砂糖の甘味が、杏のフルーティな香りとともに、心をほっと落ち着かせてくれます。
杏花堂へ行こう!
「杏花堂」は、しなの鉄道屋代駅から徒歩約4分の駅前商店街の中にあります。東京方面から電車で向かう場合は、長野新幹線に乗り、上田駅でしなの鉄道に乗り換えて屋代駅で下車します。改札を出ると、正面に大通りがまっすぐ伸びていますので、そのまま直進してください。ほどなく、左手にオレンジ色の看板が見えてきます。駅からも近く、1本道なので、迷う心配はないでしょう。
車で行く場合は、長野自動車道更埴ICを下車し、国道18号線に向かって進んでください。18号線を千曲方面に2.5kmほど走り、「杭瀬下」交差点を左折して県道392号線に入ります。そこから約150m進むと到着です。駐車場は商店街の共同駐車場がありますので、そちらを利用してください。
杏菓子の専門店へ
「長坂製菓」の創業は昭和28年。先代が東京の甘納豆屋で修業したあと、地元に戻り甘納豆の製造を始め、地元の小売店やスーパーに卸すようになりました。
今のように杏菓子が主流となったのは、今回お話を伺った2代目の古川令子さんが平成元年に東京からUターンし、ご両親のお店を受け継いだのがきっかけでした。杏を活かしたお菓子はそれ以前から少しずつ作り始めていましたが、より力を入れていこうと「杏花堂」と名前をつけ、現在の地に店舗を構えました。
「千曲は、せっかく日本一のあんずの里として知られているのだから、その文化を残していきたいと思いました。それに、杏は酸味があるので、お菓子にすると甘さと酸味のバランスが良くて、とてもおいしいんですよ。お客様にも喜んでいただけて、気づいたら杏の専門店みたいになっていました」