コロカ事業

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福井県福井市「天たつ」を訪ねる

 

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徳川家直系の福井藩

JR福井駅西口より歩くこと約10分、福井の中心部に今回の目的地「天(てん)たつ」があります。
福井県は江戸時代に、徳川家康の第二子で二代将軍秀忠の兄に当たる、結城秀康を祖とする越前福井藩が治めていました。
今回訪問する「天たつ」も江戸時代より、越前福井藩の御用達商人として将軍家直系の越前松平公と深い関わりを持っています。
10代目当主・天野吉壹(よしかず)さんと、息子さんで11代目の準一さんに、日本三大珍味の一つ「越前仕立て汐雲丹(しおうに)」と越前松平家のお話をお伺いしました。

 

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三大珍味

世界三大珍味は、フォアグラ/トリュフ/キャビアとよく知られているかと思います。それでは日本三大珍味はご存じでしょうか?
長崎のカラスミ/尾張のコノワタ/越前の雲丹と言われています。江戸時代よりそれぞれの領地を治める領主が徳川将軍家への献上するほどの貴重品でした。
もちろん、越前松平公は汐雲丹を将軍家、天皇家に献上し、また他藩への贈答としても使われていたそうです。
そのため、当時は市場には出回らず、すべてお城へ納品される年貢として扱われていたとのことです。

 

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創業年は御用商人

天たつの創業は文化元年(1804年)となっていますが、これは越前松平公の御用商になった年を創業年としたとのこと。
それ以前も福井の地で商いをされていたそうです。
農家が米を年貢として納めるように、福井沿岸の漁師は越前仕立て汐雲丹を年貢として納め、天たつは御用商として代々、年貢としての汐雲丹のとりまとめを行っていました。
当時の雲丹は現在の形状と違い、「泥うに」と呼ばれる水分が多く、柄杓ですくう状態だったそうです。
現在の越前仕立て汐雲丹を作る手法が確立されたのは、三代目当主・天野五兵衛の頃になります。

 

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塩蔵法の確立

当時の越前福井藩主・松平治好公に「日持ちのするウニの貯蔵品を」と命じられたことに端を発し、五兵衛が開発した技法が現在でも200年間そのままの伝えられているのが「塩蔵法」です。
塩蔵法による越前仕立て汐雲丹の製造方法は、このような手順となります。

 

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