コロカ事業
岐阜県土岐市「不動窯」を訪ねる
- 店舗レポート
土岐市駅から車で約15分
名古屋からJR中央本線で中津川方面へ向かう快速に乗って約40分、土岐(とき)市駅前からタクシーで約15分間。
店へ向かう道すがら、「製陶」や「窯」の文字が並ぶ看板を数多く見かけ、日本で使われる和食器の6割を作る地にやってきたことを実感しながら、不動窯に到着しました。
ちなみに駅からバスで行く場合は、駄知(だち)行で終点の一つ手前「駄知南山」で下りて、徒歩3分程度とのことです。
美濃と織部と不動窯
通りから小道を入った奥に佇む不動窯では、当主の伊藤照明さんとご家族が総出で出迎えてくださいました。奥様の笑顔にほっこりします。
コロプラで岐阜県の「お土産」にも設定されている「美濃(みの)焼」とは、岐阜県の土岐市や多治見市等を中心とした地域で作られる焼き物のことをいいます。
同じ美濃焼でも、釉薬(ゆうやく。表面に塗る薬品のこと)や焼き方によって異なる名前があり、織部(おりべ。主に緑色で表面がなめらか、左写真)や志野(しの。主に白色で凹凸もある、下写真)が有名です。
不動窯のある駄知という地域は美濃焼の主要産地の一つで、この付近だけで製陶業を営む会社等が100近くあるそうです。そうした窯から製品を買い付けて商店へ卸す会社も数多く、街が焼き物で成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
その中で不動窯は、織部を中心に焼く窯として、固定ファンや遠路はるばる訪れる顧客が後を絶ちません。
元々、織部は日常使いの器でしたが、千利休の弟子である古田織部(ふるたおりべ)の指導によって、桃山から江戸初期にかけて斬新な文様の茶器を多く作るようになり、当時から全国的な人気を誇っていました。
今日でも、廉価な日常使いの器から人間国宝の手になる作品までバラエティに富んだ器を全国に送り出しており、独特の緑色には根強い愛好家が大勢存在します。