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箱根の寄木細工

 

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寄木細工を知っていますか?

天然の木の色を生かして、タイル細工のような幾何学模様をほどこす、寄木(よせぎ)細工。木箱やキーホルダーなどで目にしたことはありませんか?

すべて天然素材ゆえに、風合いはとても素朴ですが、その模様は驚くほど緻密で艶やかです。この技術が生まれたのは、神奈川県箱根の旧街道沿い、畑宿という場所。今もこの地には寄木のお店が何軒か残っています。

そのなかでも今回は、約200年前に寄木の技術を初めて考案したという石川仁兵衛の子孫にあたる石川一郎さんの店「浜松屋」を目指します。

季節はまだ残暑の厳しい9月の半ば。濃い緑がきれいな箱根の山に、「寄木細工の里」畑宿を訪ねました。

 

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「寄木細工の里」へ

畑宿は、箱根の入口でもある箱根湯本からバスで約20分ほど。東京方面からは、JR東海道線か小田急線でまず小田原へ向かい、箱根登山鉄道で箱根湯本まで行きます。小田急の特急ロマンスカーなら、新宿方面から箱根湯本まで一本で行けるため便利です。

箱根湯本からは、箱根登山バスの箱根旧街道線で、元箱根港もしくは畑宿行きに乗り、本陣跡で降ります。車の場合は、小田原厚木道路の小田原西インターから箱根新道経由、須雲川インターより5分ほど。

賑やかな箱根湯本の駅前を出ると、バスは民家の間の細い道を進みます。温泉街の入口とあって、古い神社やお洒落なカフェが並ぶ雰囲気のある道です。山合いに入っていくに従って、茶屋風の温泉宿、旅館が目につくようになり、どんどん山の奥深くへと入っていきます。「寄木細工の里」の看板が見えると間もなく本陣跡に到着。バスを降りるとすぐに「見える工場 浜松屋」の看板が見えます。

 

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畑宿で寄木が生まれたわけ

お店に入ると、1階には、小さなアクセサリーから文箱、お皿、お盆などの生活用品や小ぶりのタンスまで、美しい寄木細工が施された品が並びます。2階が工房です。

お店が開いている間はいつでもこの制作現場を見学できるようになっているのが嬉しいところ。今回お話を聞かせてくれた店主の石川さんの仕事場も、この2階にあります。お客さんが来ると必ず作業の手を止めて、寄木の由来やつくり方を説明するという石川さん。私たちもまず、寄木細工の由来について教えていただきました。

「もともと箱根には職人がたくさん集まっていたんです。この辺りの木工の歴史は古くて1000年以上。初めはお椀やお盆など轆轤(ろくろ)をひいてつくる丸い物が主流で、次第に箱とか指物なんかもつくるようになりました。それにここは箱根湯本から静岡に抜ける旧東海道の宿場町としても栄えたところ。お土産品として寄木は需要がありました。」

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