コロカ事業

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箱根の寄木細工


 

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木のはめこみ絵「木象嵌(もくぞうがん)」

そんな「木の模様を薄く削る」手法を、応用してつくられた工芸品が、浜松屋にはもうひとつあります。「木象嵌(もくぞうがん)」と呼ばれる、簡単に言うと、木のはめ込み絵です。10cmほどの木の板に絵を描いて切り抜きます。そのくり抜いた部分に、異なる色の板をはめ込んで絵を形づくっていくのです。

例えば、富士山にかかった雪を表現するために、まずその一筋一筋を切り抜きます。そして別の白い板からまったく同じ形を切り抜き、元の板にはめ込んで雪をつくるのです。これまた気の遠くなるような作業。

最後にはすべてのパーツを接着して、絵の面を寄木と同じように鉋にかけて薄い木の絵のシートをつくることで量産します。これをまっさらの木の板に張ると、木の絵が出来上がり。

いま、浜松屋では寄木細工と共にこの木象嵌もつくっていて、実用的な商品の装飾としても活用しています。

 

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伝えることで、伝統を守る

寄木細工がどんなものなのか、お客さんに知ってもらうことを大切にしているという石川さん。店の看板に「見える工場」と入っているのもそのこだわりの一つです。

お客さんが入ってくると、石川さんの威勢のいい口上が始まります。その話しぶりは、あのフーテンの寅さんを彷彿とさせる滑らかさ。

「今日は皆さんどちらから?初めて来られた人もいるかもしれないし、一つや二つ持ってる人もいるかもしれないけど、これね、箱根の寄木細工ってのは日本でもここでしか作られていない、国から認められた伝統品なんです。200年前から続いていましてね、すべて木の色だけでつくってるの、一切染めてはいない」といった具合。

 

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小寄木の面白さ

話すことで、お客さんが寄木を大切にしようとか、ひとつ買ってみようって気になってもらえたら、と語る石川さん。

小寄木(こよせぎ)と呼ばれる、寄木細工のなかでもより細かい緻密な模様を考えるのが好きで、それが浜松屋の特徴だとも教えてくれました。毎回模様の異なる小寄木。つくる人によって微妙な違いがあり、石川さんが見れば、畑宿のなかでも誰がつくったものかわかるのだそう。

日本の家の一軒に一つか二つは寄木細工があるようになったら嬉しい、と今日も寄木の面白さを語り続けています。

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