コロカ事業
茨城県桜川市真壁町 「西岡本店」を訪ねる
- 店舗レポート
一番新しくても昭和40年代
酒造の各工程は、敷地内にあるいくつもの蔵で行う各作業から成り立っています。
最初の工程は、洗米と米を蒸しあげるところから始まります。
それ以降の工程は大変複雑なのですが、スタートはあくまでも洗米となるため、酒造りのスケジュールは洗米のみを記載するそうです。
蒸しあがった米は、麹(こうじ)室に運ばれ、麹を造ります。麹室は42度に室温が保たれるため、外の気温が-6度程度となる冬には、気温差が約50度にもなるそうです。
ここでは2昼夜に及ぶ作業が必要となるため、大変厳しい作業とのことでした。西岡本店では、500~600kgの米を一度に使い、タンク一本あたりの総量となると7t500kgもの米を仕込むそうです。
次は、仕込みをしてもろみを発酵させる工程です。
この工程を行う発酵蔵は、西岡本店では「仕込蔵」と呼ばれる一番新しい蔵なのですが、それでも昭和40年代(約40年前)に作られた蔵だそうです。他の蔵に比べ、非常に明るく、大規模な発酵タンクが並んでいる光景は圧巻です。
危険と隣り合わせの作業
発酵蔵では、整然と発酵タンクが並んでいます。大きなタンクでは、発酵最中に自然と対流が発生するのですが、時折は櫂(かい)入れをし、撹拌(かくはん)するそうです。
この櫂入れの作業は一見すると簡単そうですが、大変危険な作業であるとのこと。
発酵の最中は発酵面からタンクの口まで、発酵課程で生じた二酸化炭素で一杯となっているため、近づくだけでも酸欠気味になってしまうのです。
万が一タンクに落ちてしまうと、窒息死を伴うほどの危険性をはらんでいます。今では様々な安全策を講じ、昔ほど危険ではなくなったものの、命綱をつけての作業をされるそうです。