コロカ事業
岩手・藤原養蜂場の蜂蜜
- 店舗レポート
ミツバチの社会性
ミツバチは花のありかをダンスにして仲間のミツバチへ知らせます。方角は太陽の位置を起点として、お尻の振り方で距離を伝えるのだそうです。
場所を把握したミツバチは往復に必要な最低限のハチミツをエネルギー源としてお腹に入れ、花粉や花蜜を採取しに出かけます。その距離はどちらのミツバチも半径2kmほど。
社会的な生態を持つミツバチのお話はとても興味深く、時間を忘れて聞き入ってしまいました。
花ごとのハチミツができるワケ
さて、ソメイヨシノや栗、アカシアなど藤原養蜂場には40種以上ものハチミツがあります。これらはどのようにして作り分けられているのでしょうか?
「花の種類によって異なるハチミツは西洋ミツバチによるものですよ」
ミツバチは効率よく花の蜜を集めるため、仲間同士でコミュニケーションをとりあっています。そのため、一度目的とする花が決まるとその花にコロニー全体のミツバチが向かいます。
花は季節によってリンゴ、栃、フジ、アカシアなどと順々に咲いていくので、定期的に回収することでそれぞれの花のハチミツができるのだそうです。
「特に大量の蜜がとれるアカシアだと、1つのコロニーから1週間で一斗缶1.5缶分くらいとれることもあるんですよ。」
養蜂業では、アカシアの咲く時期にあわせてミツバチの状態を最高潮にもってくることがコツなのだと教えてくれました。
日本ミツバチの魅力
やがて、村上さんのお話は日本ミツバチによる養蜂が見直されるきっかけへと移りました。
「日本ミツバチは病気やダニ、寒さに強いんですよ。西洋ミツバチの天敵であるスズメバチにも日本ミツバチはやられないんですよ。」
ハチミツにも特徴があります。日本ミツバチの巣は西洋ミツバチよりもろいため、ハチミツだけを取り出すことが難しく、巣や蜜ろうなどと一緒に搾蜜します。そのため、複雑で癖のある味になる一方、栄養価が高いハチミツになるそうです。
また、日本ミツバチは行動範囲が狭いため、限られた地域のいろいろな花の蜜を集めてきます。そのため土地ごとの味ができると言ってもいいのかもしれません。
3代目である藤原誠太さんは言います。
「日本にしか生息しない日本ミツバチのハチミツは、日本の食の財産なんです。」