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コロプラだから挑戦できる
「生成AIを活用した新しい体験づくり」

  1. エンターテインメント本部 B1スタジオ 部長
    リードクリエイター

    角田 亮二

    映像制作会社を経て、2012年6月にコロプラに入社。『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』、『白猫プロジェクト』など複数タイトルのディレクターとして開発・運用に携わりながら、現在は新規開発タイトルのディレクターを務める。

  2. 技術基盤本部 第2バックエンドエンジニア部 部長
    リードクリエイター

    佐藤 光

    2015年コロプラに入社。VRゲームの開発、『ドラゴンクエストウォーク』の開発・運用ディレクターを務める。2023年11月からリードクリエイター就任。現在は社内におけるAI技術の活用を推進。

  3. エンターテインメント本部 B1スタジオ 第4グループ
    マネージャー プランナー

    古山 恵介

    2013年コロプラに入社。『白猫プロジェクト』のプランナーを担当後、新規タイトルの立ち上げに携わる。

生成AIの登場、そして爆発的な普及により、ゲーム業界は新たな局面を迎えています。そんな中、コロプラではAI技術を活用した新プロジェクトが始動し、"新しい体験"を生み出そうとしています。今回は、生成AIに関わる3名から、新規プロジェクトに挑戦する理由やその背景、社内におけるAI技術の活用などについてお聞きしました。

生成AIをエンターテイメントに昇華させるものづくり

AIを使用したプロジェクトの企画が立ち上がった経緯や思いを聞かせてください。

古山 生成AIを初めて知った時から、この新技術をゲームに取り入れられないかと考えていました。弊社のフィロソフィーである「最新のテクノロジーと、独創的なアイデアで"新しい体験"を届ける」に当たりますが、単純な欲求として新しい技術を使って今までにない体験を届けたいと思いました。

角田 私もChatGPTなどの生成AIを使用したゲームを作れないかと、さまざまな実験を繰り返していました。今とは別企画でまとめようとしていたところ、古山が提案した企画のゲーム構造が面白かったんです。最終的にどうゲームに落とし込むのか、AIを「既存のクリエイティブを代替」するのではなく、「新たなエンターテイメントとして昇華させる取り組み」として価値があると感じ、興味が惹かれたため、ぜひ一緒に作りましょうと話しました。

AIをゲーム体験に取り入れることについて、佐藤さんはいかがお考えでしょうか。

佐藤 これまでのゲームは、基本的にプランナーが決めた仕様に沿うものでした。しかし、AI自体が判断してくことで、言ってしまえば"制御不能"にもなり得ます。そして"制御不能"なものをゲームに取り込むことで、プランナーも、エンジニアも、デザイナーも、みんなこれまでの作り方の発想を変える必要があります。そして「制御できない動きを楽しさとして昇華」させるという、これまでにないコンテンツが生まれつつあると感じています。

たとえば、どのようなAI活用例があるか教えてください。

佐藤 生成AIは、テキストやイラスト、音声など分野が目立っていますが、今フォーカスしているのは、ある種の知能に近いものを持っている部分です。『ドラゴンクエスト』における「さくせん(仲間の行動指針)」のように、これまでゲーム上のAIは、ある程度のルールベースで行動していましたが、これから発展していくのは"自立して動くエージェント"だと思っています。例えば、これまでゲームのNPCたちが、まるで人間のように、その場の状況を見て行動・リアクションを行う。そうなると、今までとは全く異なる体験が生まれると考えています。

他にもユーザーさまをサポートするAIも、ルールベースではなく、プレイヤーの好みを汲み取りながら自身で考えて動いてくれるというケースも考えられます。もし、ゲームのプレイ中にAIのキャラクターによって「今の状況なら、この戦い方がベストだったね」など、仲間としてサポートしてくれたら、より世界に深く溶け込みやすくなり、ゲーム体験そのものが変わってくると思うんです。

AIによって、1つのものをシミュレートすることから、本当にリアルな世界そのものを作り上げられる。今もっとも目覚ましい進化を遂げるであろう領域であり、今後そういったゲームは必ず出てくるはず。だからこそコロプラでは、今このテーマに対してチャレンジしたいと考えてるんです。

角田 一般的なゲームは、デザインされたものをプレイすると、決まった結果が出力されます。しかし、今回我々が挑戦しているものは、固定された攻略法から一歩踏み込むことです。「個々のプレイスタイル、選択」をAIが判断して、個別のフィードバックするというのが理想形です。同じゲームをプレイしていても体験が変わる。プレイヤー同士の交流面を考えても、新鮮な体験を得られるはずです。

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しかし、その「体験の差別化」の制御は難しそうですね。

角田 そうですね。制御する・しないの部分の調整は非常にシビアです。すべて自由にしてしまうと、ゲームとして成立しなくなる可能性も大きくなりますから。だからといって、"AIが生み出す想定できないアウトプットによる面白さ"を崩しては意味がありません。そこを我々がさまざまなアイデア・技術を用いて「ゲームとしての楽しさ」として完成させるべく、試行錯誤しながら進めている最中です。

現在の開発進捗は?

角田 まだ、絶賛開発中で内容も動き続けているため、詳しくはお話できない状況ですが、コアとなる「体験の面白さ」は形になってきました。ユーザーさまにプレイしていただいても、違和感を感じないように整えているところですね。

古山 「ゲームとしての完成度」と同時に、肝心だと考えているのは「世の中へ発信するスピード感」です。本音を言ってしまえば、早期にリリースしてこのゲームスタイルの是非を世に問いたい、と考えています。この「AIによるゲーム制作」はさまざまなメーカーが研究しており、進化スピードもかなり速い分野。そのため、制作中にも仕様や流行が変化する可能性があり、今考えているものを超えるものが出たり、無駄になる可能性すらあります。作り込む時間よりも、まずスピード感を持って制作することが大事だと思っています。

ちなみに初めて生成AIをゲームに実装して、自分だけのユニークなものが出力されたのを見て、この技術とエンターテイメントの親和性にはかなり手応えを感じました。エンターテインメントによって受ける個人の楽しさ・体験は、他人との会話・比較で初めて明確になり、尊重されるものだとも考えています。SNSやリアルでの会話のシェアへの欲求を刺激できる内容になっているので、ぜひ期待していただければと思います。

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ちなみに"AI生成"を利用した開発において、苦戦している、難しいポイントは?

古山 先程佐藤が言っていたように、"制御不能"な部分が発生することが一番の課題ですね。技術面、モラル面のハードルも高く、ある程度の制御を行いつつもどのレベルで制御を行なうのかの塩梅というか、出力されたものをユーザーさまにお届けできる品質であるかを見極めるのは、かなり苦心しています。しかし、同時に開発目線で考えると面白い部分とも思っています。

佐藤 制御に関する話に付け加えると、生成AIに送るプロンプトの試行錯誤は膨大な時間と労力が必要です。逆に制御しすぎると面白さの幅がなくなってしまいます。"面白さとして届けるべきは、そのユーザーさまだけの体験"という部分にフォーカスして考え、出力幅をコントロールしなければいけません。
そこは「クリエイターとしての感覚値」の部分でもあり、AIに深く触れた人しか分からない、属人化している状態ですね。また、ChatGPTやClaudeなどは、性能が良いものほどコストが掛かります。うまく"今必要な性能"を見極めて、使用する場所に落とし込んでいく。そちらはエンジニアリングの力が問われるのかなと思います。

角田 そうですね。"新しい体験"を届けるため、技術検証を重ねていく中で、意外な発見もありましたね。ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。

AIの補助によって加速・進化する社内環境

つぎに、AI技術の社内的な活用について教えてください。

佐藤 現在弊社ではChatGPTやClaudeなど、LLM(大規模言語モデル)の活用が推進されており、例えばChatGPTでは契約に補助金が出ています。こちらを活用しながら、企画のアイデア出し、長文の整形、誤字脱字のチェック、エンジニアサイドではコード生成のサポートなど、各種業務の手間な部分をなくせるようにと、会社的に推進しています。

具体的な例を挙げると、最近社内でリリースされた議事録ツールですね。ミーティング時に撮影した動画から音声を抽出し、それを元にテキスト化。最終的な構成やまとめをChatGPTに仕上げてもらい、議事録とするというものです。今まで手間だった部分が軽減できたりと、業務拡大・圧縮の面で確実に良い傾向が見られます。

また、コロプラはこれまでに多くのゲームを開発してきたため、豊富なゲームアセットやテキストデータを保有しています。そして現在、これらを生成AIの学習データとして活用し始めています。これにより、コロプラ独自のAIモデルを構築し、ゲームコンテンツの生成や、属人化したナレッジの解決を目指しています。

AIとしての活用だけではなく「業務の補助」となる新しいシステムを構築している、と。

佐藤 そうですね。直近だと、社内タイトルで作成してきた画像データをAIに取り込ませて分類させることで、今まで創り出してきた当社のイラストを効率よく検索できるシステムを構築中です。今後はゲーム制作に関わるデバッグ、カスタマーサポートの自動化も計画しています。また、プロジェクトの規模にもよりますが、タイトルの中身にフォーカスした企画や、キャラクター・武器が代表例となるのですが、大量のデータ作成のサポートなども視野に入れています。

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今後、現在進行系で進化している"AI"に対してどう向き合っていますか?

古山 AIが登場し、発展している以上、向き合うしかないですね。自分の実感としては、AIを活用することで、個人でできることの幅が格段に広がりました。簡単なところでは、自身では普段使うケースが少なかったGAS(Google Apps Script)を、AIの力を借りることで使えるようになったりです。

これまでデザイナーやエンジニアの方々にお願いすることで実現できていた部分を、ある程度自分でフォローできるようになりました。これはゲーム制作面においては非常に心強いツール、パートナーになってくれています。そして、なにより使うこと自体の業務的メリットもそうなのですが、今後どのようにゲーム制作・エンターテイメントに取り入れるか、というアイデアを考えること自体も面白いんです。

佐藤 生成AIの活用は、最早流れとして止められないところまできています。使用することで今までに生まれなかった表現や、新しいゲームメカニクスが誕生しています。クリエイター・エンジニアなど、「何かを作る側の人間」としては、当然触れておくべき技術とも感じています。

今後、コロプラに所属したいという方は、この"生成AI"に関する技術を学んだほうが良いのでしょうか?

古山 そうですね。触っている方といない方を比較すると、やはり作業効率の部分で差が出てきます。この差は今後さらに広がっていく可能性はあります。現在、技術に対する公的な補助も出ていることですし、"生成AI"に限らず新しい分野に積極的に触れるというマインドも重要かと思います。

佐藤 今後、この技術を活用することで、これまで大規模な人数で作っていたゲームを少人数かつ高クオリティで作れたり、今までの「ゲーム制作の在り方」を根本的に変える可能性を秘めています。これまでの経験ももちろん大事ですが、固定観念に囚われず、新技術を活用して「新しいことをやってみたい」と考えられる方が向いていると思います。

角田 そうですね。AIをエンターテインメントのアウトプットとして活用したいという方は向いていると思いますし、活躍できる場があります。コロプラはまだ世の中にない"新しい体験"を届けるものづくりをしているので、さまざまな挑戦ができます。ぜひAIを使った「Entertainment in Real Life」を一緒に目指しましょう!

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ありがとうございました!

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