コロカ事業

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長野・塩尻の国産無添加ワイン


 

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塩尻ワインの歴史

井筒ワインのある場所は、桔梗ヶ原と呼ばれる、標高700mの松本平の一角です。桔梗ヶ原(ききょうがはら)は、もともとは何も栽培できないほど荒れた土地だったそうです。ところが約120年前、村おこしの一環として荒れた土地でも栽培可能な葡萄を植えてみたところ、これが大成功。収穫が増え、自然と加工の需要が出てきて、周辺にはワイナリーがいくつもできました。

井筒ワインの創業は1933年。初めは大手メーカーの下請けとして、樽売りを主に行なっていましたが、60年ほど前から、良質の国産ワインを提供しようと、自社ブランドのワイン醸造を始めました。

地元ぶどうだけで造っているワイナリーは、全国にある約200軒のワイナリーのうち2割程度と言われています。輸入ワインを混ぜてコストダウンを図っているワイナリーも多いそうですが、井筒ワインは自社で葡萄を栽培し、国産100%のワインを作り続けています。

 

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栽培から醸造まで

原料が8割、技術が2割と言われるワイン作り。井筒ワインの自社農園は現在約10ha、そのほかに、契約農家が近隣に約200軒あります。桔梗ヶ原で最初に植えられたのがアメリカ原産の「ナイアガラ」や「コンコード」といった品種、50年前からは、欧州系の「シャルドネ」や「メルロー」なども植えられ、現在は、試験栽培も含めると約20種類の品種を栽培しています。

敷地内の醸造場では、搾汁から発酵、熟成、瓶詰めまで、製造工程のすべてが、徹底した管理のもとに行なわれています。地下倉には瓶詰めされたものから樽ワインまで、たくさんのワインが貯蔵・熟成されていました。「熟成させることで味が落ち着いてまろやかになるんです」と中村さん。

醸造場や葡萄園は、事前に連絡すると見学させてもらうこともできます。興味のある方はぜひ問い合わせてみてください(繁忙期は対応できない場合もあり)。

 

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いい葡萄を得るために

塩尻では、公平性を期すため、ワイナリーと契約農家の間に市が入り、3者で葡萄の購入価格を決定しています。そしてもうひとつの大きな特徴が「糖度買い」です。たとえば「ナイアガラ」や「コンコード」だと、いいワインを作るためには16〜18度の糖度が必要です。そのため、それ以下の糖度の葡萄は引き取らず、逆に糖度の高いものは高い値段で購入しています。手入れして一生懸命に作ると、糖度はきちんと上がります。農家さんにいい葡萄を作ってもらうためにも、糖度買いは大切なのです。

ただし、その年のワインの売れ行きに関わらず、きちんと基準を満たしたものに関しては、全量を必ず買い上げています。「そうでないと、農家さんが困っちゃいますから」と鵜沢さん。地域を上げてのワイン作りが、塩尻では行なわれているのです。

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