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コロカ事業

  1. 甲信越・東海・北陸地方一覧

身延・五大の角ゆば


 

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【開業までの道のり】

望月さんが修行から戻ってから開業まで約2年、自宅で商品開発が始まりました。幸運にも製造に使用する道具は知り合いから譲り受けることができたそうですが、朱実さんは、

「本当に玄関脇に道具を置いて試作品を作っていたんですよ。子供も小さかったから不安でしたね。」

と当時を思い出して笑います。

開業までには、お店の場所探しや土地の整地、事業の申請など、1年以上の時間が必要だったそうです。

 

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【水を極める】

工場を建てるため、水のきれいな場所探しにはひときわこだわったそうです。

「身延の水はまろやかでおいしいんですよ。そのなかでも美味しい地下水を確保できるところを見つけるのに時間をかけました」

こうして見つけた水は地下約50mの位置からくみ上げているもの。

「この水で大豆を洗い、豆乳を作るんです。」

身延町には武田信玄の隠し湯とされた下部温泉があり、以前から水の味の評判もよかったそうです。五大ではこの地方のおいしい地下水をさらに追求して、自分たちの納得する水を見つけ出し、日々商品づくりに利用しています。望月さんの湯葉作りの原点はここにあるのですね。

 

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【思いがけない出会い】

さて、「角ゆば」はどのようにして誕生したのでしょうか?

「角ゆばは、偶然の産物なんですよ。」

あっさりとそう答える望月さん。偶然が生まれた経緯を聞きました。

湯葉を作っていると、豆乳から湯葉を引きあげた後に小さな固まりが残ったり、形が崩れたものができたりします。それらは売り物にはならないため、容器に入れて保存していたそうです。ある時、冷蔵庫から出してみると細かなゆばが容器の中でひとつの大きな固まりになっていました。これが角ゆばの原型です。角ゆばと言う名前もこの時の容器が四角形だったことに由来します。

この固まりをおもしろいと思った望月さん。より濃密にするには…、中に空気が入って空洞ができないようにするには…、濃度を均一にするには…、理想の形を求めて試作を繰り返しました。

工場の職人みんなで研究を重ね、豆乳の濃度や湯葉を引き上げる時間、湯葉の重ね方、固めるまでの時間などが決まりました。

 

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