コロカ事業
台東区浅草 「壱番屋」を訪ねる
- 店舗レポート
雷おこしで家興し
雷おこしは、江戸時代後期に雷門近くの露天商が、「雷門」「家を興す」「名を興す」という言葉にかけて名付け、縁起物として売り出したのが最初と言われています。
また、浅草寺で7月に行われる、ほおずき市で授与される「雷除」のお札も由来の一つとなっているそうです。
壱番屋では、こうした由来もあり、雷おこしも作られておられます。
最近一般的な雷おこしは、おこしのタネと呼ばれる一つ一つの粒にデンプンを使うものが主流となっているそうですが、壱番屋では従来通り米を材料に作られています。
関東では珍しい専門の工場にて、麦芽糖で作られた水飴とタネを、食感がよくなるように適切な空気が混ざるよう手で攪拌(かくはん)し、のばしてから締める最終行程では、力が重要となるため機械で行うというこだわりよう。
すべてはおいしい食感を得るための工夫であるそうです。
身近に感じるがゆえに、無意識に口に運ぶことが多いおせんべいや雷おこしですが、隆夫さんが熱く語るのを伺いつつ、焼き上げられていくせんべいを眺めていると、その一枚、小さな塊一つ一つからも、力強さを感じるようになりました。