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『Brilliantcrypto』×「最新テクノロジー」による新しい体験とは!

  1. エンターテインメント本部 B1スタジオ 第4グループ
    マネージャー プランナー

    古山 恵介

    2013年コロプラに入社。『白猫プロジェクト』のプランナーを担当後、新規タイトルの立ち上げに携わる。

  2. エンターテインメント本部 B2スタジオ 第3グループ
    プランナー

    渡辺 皓太

    2020年コロプラに新卒入社。『ドラゴンクエストウォーク』運用プランナーを担当後、『Brilliantcrypto』にプランナーとして携わる。

2024年6月17日、コロプラグループのBrilliantcrypto社は遊んで稼げるPlay to Earnゲーム『Brilliantcrypto』をリリースしました。本作は「Proof of Gaming」という新しいモデルを導入したブロックチェーンゲームであり、プレイヤーは「つるはしNFT」を持ってゲーム内の鉱山で採掘を行い、宝石を獲得していきます。
そんな本作では最新のテクノロジーとして"生成AI"技術を導入。これまでにない"新しい体験"をプレイヤーに提供するための背景や開発エピソードなどについて、プランナーの古山氏と渡辺氏に語っていただきました。

最新テクノロジーを取り入れた『Brilliantcrypto』とは?

『Brilliantcrypto』はどういったゲームなのでしょうか?

古山 一言で説明すると、"デジタル世界の宝石を生み出す"ゲームです。世界中のユーザーさまが採掘者となり、宝石の獲得を目指して鉱山を採掘していきます。本作はブロックチェーンの技術を使用しており、ゲーム内における宝石の価値の証明や資産性を持たせることが可能となっています。そして、多くのユーザーさまが参加することで宝石はより一層輝き、その価値が高まっていく......という感じですね。

AI技術はどのような場面で使われていますか?

古山 現在、主に使用しているのは、キャラクターや宝石の情報部分ですね。例えばプレイヤーがキャラクタークリエイトするなかで、選んだ髪型や各所のパーツ、フリーワードで入力できる出身地などの情報をChatGPTが読み取り、そのキャラクターの人物像や生い立ちなどを自動で出力してくれます。また、宝石では、掘り当てた宝石の名前や採掘に費やした時間・労力などの情報を元にストーリーを生成してくれることで、唯一無二の宝石を作り上げます。

AI技術を取り入れた背景は?

古山 新技術としてAIを取り入れることで、"新しい体験"をユーザーさまに届けるためです。ただ、『Brilliantcrypto』の開発が始まったときは、AI技術はまだ未知の段階で、ブロックチェーンこそが最新の技術だったんです。「ブロックチェーンの技術を使うことで実現できる作品」というプロジェクトだったのですが、開発を進める中でChatGPTなどのAI技術が急速に発展していきました。そういった背景のなかでAIも取り入れようという社内方針が決まり、最終的にブロックチェーン+AIという形のプロジェクトになりました。

AIを導入したことで作品はどう変化しましたか?

渡辺 "宝石の価値"を言語化できるようになりました。リアルの宝石でも、その価値は目利きのできる方なら見た目で分かりますが、一般の方は「こういう理由だから貴重です」という鑑定書があって初めてその価値を理解できるかと思います。デジタル上の宝石においても同様で、AIによる説明文が付くことにより、その希少性が誰でも理解できるようになりました。価値を他者と同じ基準で共有できることで、このプロダクトの価値をさらに高めたことは間違いないと思います。

本作はAIによる大規模言語モデルを用いられていますが、導入はスムーズでしたか?

渡辺 もちろん苦労しました(笑)。本作は7言語に対応しておりまして、ChatGPTが生成するキャラクターのストーリーや宝石のヒストリーなどもそれぞれの言語で出力できます。これらのAIに対しての指示はプロンプトと呼ばれるテキストを介して行うのですが、当初「英語で出力してください」「スペイン語で出力してください」と日本語で指示を出しても、出力される文章のクオリティが一定段階で止まってしまい、納得できるラインに到達できませんでした。これが最初の課題でした。

言語ごとの細かなニュアンスの調整が難しいのでしょうか?

渡辺 まさにそうです。例えば、洋画で英語のセリフを日本語に直訳して載せても、理解はできますが読みづらいですし、なんだかしっくりこないですよね。その解決策として、今回はAIに指示を出すプロンプト自体をそれぞれの言語分用意することにしました。苦肉の策ではありましたが、そうすることでそれぞれの国らしさを表現したクオリティの高い文章を出力できるようになったんです。

従来の翻訳作業と比べて、作業効率はどのくらい変化しましたか?

渡辺 従来であれば翻訳していただく元テキストをそのままプロに発注するところを、その前段階としてAIの機械翻訳を利用し、ある程度のクオリティで翻訳された文章を渡しています。すでに骨組みができている状態の文章をお渡しするので、翻訳者が一から作るよりも作業効率が良いです。

そして、細かなバランスやニュアンスの部分をプロの方に調整していただいて、完成させます。まだまだ最終成果物については、AIの力はほぼ借りていません。しかし、プロンプトを書き直す際すぐに多言語でも検証できる点では、かなりスピーディーになったので助かっています。試行段階ではありますが、プロのチェック後にも原文と一致する部分があるので、機械翻訳の精度も高くなってきた感覚はありますね。

『Brilliantcrypto』を通して得られたもの

AIを導入したことで得られた経験や知見について教えて下さい。

渡辺 例えば宝石に関してChatGPTに聞くと、正しくない情報が含まれていることがあります。ただ、方向性や大枠は分かるので、あとで調べて整えるという流れを理解できました。また、『Brilliantcrypto』では先述通りキャラクターと宝石に関してのテキスト部分で活用しましたが、ただAIを導入しただけでは面白くならないことが改めて分かりました。
キャラクターの説明文をAIが作りましたと言っても誰も読みたいとは思いませんし、ちゃんとしたライターを使ってほしいと思われるのは至極当然だと思います。

では、どうやったらユーザーさまに興味を持っていただけるか。それは出力されたものが、いかに自分の属性が反映され、唯一無二であるか実感できることだと思います。もしキャラクターの説明文に"自分のこと"が反映されていたら読みたくなりますよね。このあたりはプロジェクトを進めることで実感できた部分です。

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今回のプロジェクトにおいて苦労したポイントは?

古山 AIの部分とは異なりますが、鉱山で宝石を掘るというアクション部分を、所定の時間で終わるようにしてほしいというオーダーに応えたところですね。人それぞれ探す時間はバラバラなのに、よくまとめたなと思っています。なお、本作は宝石を採掘するゲームではありますが、"ゲームにしすぎない"というコンセプトがあります。あくまでデジタル世界で宝石を発掘することをメインにした作品になるように調整しました。

渡辺 僕としては、AIにまったく同じ指示を出したとしても、毎回返ってくる答えが違う点ですね。『Brilliantcrypto』のように多くのユーザーさまがプレイする環境において、どうやって毎回安定したクオリティを届けるか、という部分の検証に時間がかかりました。例えば指示を変えて良い文章が返ってきたとしても、10回ほど試すと全然良くないものになってしまうことも多かったです。このあたりを踏まえて、AIをうまく乗りこなすテクニックが今後重要なスキルだと思っています。

自分が成長したと感じた部分はありますか?

渡辺 実際にAIを触り始めたときは、全然納得のいくものができず、勝手に「これがAIの限界なのか」とイライラすることも多かったです。しかし、AIがうまく動かない原因の大半は自分の指示であり、そのやり方ひとつでガラリと変わるんですよね。そこに気付いてからは、うまく成果が得られなかった際、自分の指示の出し方を見直すようにしたことで、AIも自分もレベルアップできました。

元々コンピュータは正確なものを安定的に返してくれるイメージでしたが、今はむしろさまざまな答えを出してくれて、幅広く対応してくれるようになりましたね。

古山 開発者視点でいうと、AI技術を取り入れれば面白くなるというよりも、この技術でどう面白くするかがミッション、という視点を手に入れられたことが良かったです。

プロジェクトを進めていく中で印象的なエピソードがあったと伺いましたが、どんなお話でしょうか?

古山 馬場から「宝石を扱うなら(宝石そのものを)知らないと駄目でしょう」と言われて、宝石店が開催しているイベントに、馬場とディレクターの大山を含めて3人で参加してきました。あまり知識がない中でしたが、鉱物が何千年かけて出来上がる際のインクルージョン(※不純物)の入り方で価値が変わり、一つとして同じものがないことを初めて知りましたね。不純物にもアートがあると。

ちなみに宝石店に行ったことで、ゲーム内で宝石を鑑賞する際に使用するトレイなどの小物を、しっかりと現実味のあるものにできました。宝石への知識の解像度が上がったことは間違いありません。

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求職者に向けて

最後に求職者に向けて一言メッセージをお願いいたします。

渡辺 僕は大学時代にVRの研究をしていたんですが、ちょうどその頃コロプラもVRタイトルを手掛けており、新しいことに挑戦している会社だなと魅力を感じて入社を志しました。入社したあとも、『Brilliantcrypto』のようにブロックチェーンやAIといった話題の技術を積極的に取り入れており、あの時感じた会社の姿勢は一貫していることに驚いています。今後も変わらないと思うので、新卒・中途問わず新しい技術に興味があり、そこから面白さを生み出せる方はコロプラに向いていると思います。

また、会社的なサポートも良く、『Brilliantcrypto』にジョインしてから本当にさまざまなAIサービスに触れさせていただきました。新しい技術を使ってみたいですと申請した際、とても前向きな形かつリスク等も確認したうえでスピーディに検討してくれます。新しい技術に挑戦する人に対して、会社全体でサポートする環境が整ってることは、とても大きな強みだと思います。

古山 ユーザーさまに新しい体験を届けるという点では、最新技術はもちろん、これまで培ってきた価値ある知識や技術で挑戦できる環境があります。そのため、ベテランの方のチャレンジ精神に応えることができますし、モチベーション高く働けるんじゃないかと思っています。また、渡辺が言っていたAIのプロンプトに関しても、ベテランの思考や経験を基に作り上げたほうが整理しやすいかもしれません。そういった前向きな方なら、入社後に知識や技術の幅がさらに広がるので、そこに面白さや楽しさを見出せる方が向いていると思います。

ありがとうございました!

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※宝石を観賞できるのは2024年8月1日現在PC版のみになります。

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