コロプラ 採用情報

仕事を知る

俯瞰的な視点で物語を演出する
コロプラのシナリオディレクターの役割と特徴

  1. エンターテインメント本部 A1スタジオ 部長

    北村 主税

    2010年にコロプラに入社。『バトルガール ハイスクール』などのタイトルを担当。現在は『白猫プロジェクト』など、複数の運用タイトルの管理を担当しながらも、シナリオチームのマネージャーも兼任。

  2. エンターテインメント本部 B1スタジオ 第1グループ マネージャー補佐

    S.K.

    2020年にコロプラに入社。現在は『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』のシナリオディレクターを務める。

  3. エンターテインメント本部 A1スタジオ

    Y.Y.

    2020年コロプラに入社。『MONSTER UNIVERSE』のシナリオディレクションを担当。現在は新規タイトルのシナリオディレクターを担当する。

ゲームの開発において、シナリオはゲーム全体を進行していくのにとても大切な要素です。コロプラのシナリオディレクターは物語やキャラクター、世界観などを統括するだけではなく、クリエイターたちのパイプ役、開発において俯瞰して舵を取ることなど、タイトルによってその働き方やミッションは様々。

今回は、シナリオチームのマネージャーとシナリオディレクターの三名に、その役割や特徴、やりがいなどを語っていただきました。また、コロプラが求めるシナリオディレクター像などもお聞きしてきたので、コロプラでシナリオディレクターとして働きたい方は必見です!

INDEX
【1】コロプラのシナリオディレクターの役割
【2】シナリオディレクターに必要なスキルについて
【3】シナリオディレクターの採用について
【4】求職者のみなさんへメッセージ

コロプラにおけるシナリオディレクターの特徴や役割、モノづくりにおいて、どのような関わり方をしているかを教えてください。

北村 コロプラのシナリオディレクターは、プロジェクトのスタートから携わるパターンや、既に完成している世界観に対して、新たにストーリーを追加する部分を担うパターンなど、様々な関わり方があります。
S.K.さんとY.Y.さんで同じシナリオディレクターとしても役割が異なり、S.K.さんは既にあるIPに対して、世界観やキャラクターをどう作るか、Y.Y.さんはプロジェクトの立ち上げから参加しながらゲーム体験と世界観やキャラクターをどうバランスとるか、をそれぞれ担当しています。ぜひ、この二人の話を中心に聞いていただければと思います。


S.K. 私がシナリオのリードディレクションを担当している『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(以下、『黒ウィズ』)は、今年で10周年を迎える長期運用タイトルです。世界観やキャラクター設定は、私が担当になった時点で完成していたので、そこを丁寧に引き継ぎつつ、ユーザーさまの期待に応えることがミッションになります。

ただ、『黒ウィズ』はイベント毎に世界観が全く違うことが特徴なんです。そのため、これまで積み重ねてきたモノを守りながら、どうやって新しいモノを作っていくかがポイントになります。私はそれらのバランスを取りながら、主にディレクターと相談しつつシナリオのディレクションをしています。


北村 そのバランス感覚がシナリオディレクターには重要な素養なんですよね。


S.K. コロプラは新しいモノ好きなクリエイターが多く、「何か新しいことをやろう!」となると、とても盛り上がるんです。しかし、私は少し冷静に「本当にユーザーさまに喜んでいただけるか」を考え、バランスを取るようにしています。ずっと攻めの姿勢でいるわけにもいきませんし、守り続けるわけにもいかない。そのようなバランスを取りながらシナリオを考える役割を担っています。

攻める、守るの具体的な判断基準はありますか?

S.K. 『黒ウィズ』はその時々によって変わります。例えば、既存ユーザー向けのイベントを開催したあとは、新規軸の新たなユーザーに向けたイベントを打ち出していこうとか。女性キャラ中心のシナリオの後は、男性キャラが中心となるシナリオにするとか。他にも物語のギャグ・シリアスなどの要素における全体のバランスを見ながら、ディレクターやデザイナーとの話し合いのもと決定しています。


北村 俯瞰する目が非常に大切ですね。


S.K. そうですね。これは私自身の性格でもあるのですが、何事もどちらか一方に偏っていると不安になるタイプで、その辺りのバランスを取るのが好きなんです。ちなみにディレクションだけでなく、自分自身もライターのローテーションに入って書くこともあります。メインシナリオだと、ディレクターの要望を聞きつつ、担当ライターと話し合いながらストーリーを決めていくこともありますね。


北村 たしかに『黒ウィズ』の10周年イベントのときは、ディレクターと密に話し合いながらシナリオの内容を具体化されていました。


S.K. 10周年という区切りのイベントなので、様々なキャラクターが大集合して、新しい敵と戦う、"総決算的展開"を組み立てようというのが始まりでした。『黒ウィズ』には約1000キャラクターいるので、誰を登場させればユーザーさまに喜んでいただけるのか悩みました。ただキャラクターを集合させるだけではなく、どうやって集め、どんな敵と戦えば盛り上がるのか。その辺りを考えながら、シナリオを書かせていただきました。

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シナリオを書く上で気をつけていることはありますか?

S.K. シナリオライターはゲーム作りにおけるアンカーだったり、キーパーの立場でユーザーさまと直接繋がりやすい役目を担っていると思います。反応をダイレクトで聞けますしね。しかし、全ての裁量があるわけではなく、キャラクターも世界観もライター一人のモノではありません。一緒に働いているデザイナー、プランナー、サウンドチームなど、それぞれの想いを受け取ってシナリオに落とし込むように心掛けています


Y.Y. 色んなエッセンスを様々な部署から受け取り、構築していきますよね。


S.K. そうですね。それらの想いを受け取れてアウトプットできる方がライターに向いていると私は思います。


北村 元々そういったことに長けていたんですか?


S.K. いえ、私は元々小説家として自分が書きたい物語を書くのが楽しかったんです。しかし、コロプラで初めてゲームのシナリオライターとして、様々な職種やチームの方と一緒に作品を作り上げる楽しさを知りました。
もちろん、エゴといいますか、自身の中にある情熱は大切です。クリエイティブな作業なので、人に合わせるだけではなく、それらを保ったまま全体のバランスをどうやって取るか。言葉で言うのは簡単ですが、私のなかでもまだ明確な答えがでているわけではないのです。


Y.Y. 確かにエゴが強すぎても、ゲームの要件と合わなくなることもありますからね。

続いてY.Y.さんは、新規開発タイトルに対してどのような関わり方をしていますか?

Y.Y. 新規開発タイトルの場合、コロプラでは先行してゲームの手触り、システム、新しいテクノロジーなど、なにを"遊びの体験"とするかを決めます。シナリオディレクターは、それらがある程度固まった段階で参加することが多いですね。そこから、そのタイトルの遊びに合う表現などを模索し始め、ディレクターやプランナーとコンセプトを決めていきます。


北村 プロジェクトによっては、シナリオからスタートする場合もありますね。


Y.Y. そうですね。今進めているプロジェクトは、クリエイターの世界観やセンスなどをベースに企画が始まりました。私はそれらをゲームに落とし込むときに、クリエイターのやりたい表現、世界観を立てつつ、設定や見せ方などの案をプランナーに伝え世界観・シナリオに沿ったゲーム仕様を作成してもらいます。作成してもらった仕様によってはクリエイター側に仕様に合わせた世界観の調整を提案したりと、"互いを繋げるパイプ"としての役割が大きいと思っています


S.K. Y.Y.さん自身もシナリオを書かれるのですか?


Y.Y. 書くこと自体はできますが、ライティングはほぼしていません。モック用に完成イメージのサンプルなどを作成するくらいでしょうか。今はどういうシナリオであればユーザーの方々に面白さを伝えられるかを考え、それに沿った仕様を自分で企画し、チームに伝えていく作業をメインにしています。そのためライターというよりもプランナーに近い仕事かもしれません。プロジェクトによっては絵コンテを描いていたりします。

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同じシナリオディレクターという役割でも動き方が違うんですね。

Y.Y. そうですね。ゲームの遊びだけでも十分に面白いものを、もっとユーザーさまにゲームに没頭してもらい、体験に変えていくことが、自分の役割として強い部分だと思っています。例えばRPGだと、ユーザーさまにただ物語を読み進めていただくのではなく、「俺が世界を救ってやるんだ!」という気持ちにさせて、タップしてもらうようにする。何のためにプレイヤーに剣を振らせるのか、モンスターを倒す必要があるのか。それらに納得の行く理由を付けたうえで、最終的に剣を振る、振らないの選択をプレイヤーに委ねて、その選択を選んだ結果、感動する体験をしてもらいたい。それが自身のやりがいであり、挑戦していく部分でもありますね。


北村 チーム内での役割としてはプランナーに近い部分もありますね。


Y.Y. チームの中では様々な意見が出てくるので、全部拾い上げると世界観がぐちゃぐちゃになったり、「ユーザーさまが何を楽しめば良いのか」が不明瞭になってしまいます。そのため、私は「ユーザーさまをこういう気持ちにさせたい」ということをコンセプトとして掲げ、チームに伝えることで、全員が同じ目線でギミックを作っていくようにすることが多いですね。


北村 IPを取り扱った作品だと目線合わせが重要になります。版権元や作家さんがいらっしゃるのでそういったところの調整も必要ですよね。


Y.Y. そうなんです。ゲームとしての面白さと、作品として守らなければいけないイメージとそれぞれに譲れないモノがあります。そのため、まずはお互いが納得する折衷案を用意することが多いです。うまくいかなければ企画自体がなくなることもあるので、その都度互いが納得する形、一番良い方法を考えることが大切ですね。

シナリオディレクターにはどんなスキルが必要だと考えますか?

北村 まずコロプラのシナリオディレクターには、ゲーム全体の体験がどういうものかを意識してほしいと考えています。そしてシナリオや世界観がユーザーさまにとってどういう役割を担っているか、それぞれ意識したうえで物語やキャラクターを作って欲しい。
例えば『黒ウィズ』であれば、濃密なストーリーやキャラクターはユーザーさまが欲している部分なので挑戦しても大丈夫。逆にゲームシステムや体験が強い作品であれば、物語が濃いとアピールしたい部分が薄くなる可能性があります。そのため、ゲーム体験全体を俯瞰して見られる能力はぜひ持っていて欲しいです。


S.K. 私も物事全体を俯瞰して見る能力は大事だと考えています。あと、根本的な話だと「本当にゲームを作りたいのか」を明確にしておくことも重要ですね。ゲームが好きというのは当たり前の話ですが、漫画や小説、映画、アニメなど、シナリオには様々な選択肢がある中で、「"作りたい"のはなぜゲームなのか」と自問自答したうえで、「それでもゲームを作りたい」という情熱を持てる方が向いていると思います。それを考えることが重要なんです。


Y.Y. ゲームは一人で作るものではなく、様々な折衝が発生するので、「それでもゲームが作りたい」という気持ちがないとディレクションは難しいですね。ちなみに、なぜゲームであることが必要なのか、私は一つの答えを持っています。先日、ディレクターが話していたことでもあるのですが、「ゲームが他のコンテンツと違うのは総合エンターテインメントである」こと。例えば、映画は物語を映像で観る媒体で、小説は物語を文章で読む媒体、音楽は聴く媒体として完結していますが、ゲームは映像を観る・読む・聴く・操作するなど、それら全ての体験を集めたもの。まさに「それだ!」と共感し、だからこそ自分はゲームを作るんだと思いましたね。


S.K. あとは、他部署の方と話す機会が多いので、今作りたいモノ、これが面白い理由など、端的に分かりやすく伝えられる"面白さを言語化する能力"とそれをチーム内で"共有できる力"も必要になります。


Y.Y. 新規開発においては、シナリオ以外にも、立案したりといった企画を進める"自発性"が特に必要になりますね。「こうした方が面白くなる」というのを考えて、自分から提案・進行していく力がかなり求められます。具体的な例で挙げるなら、キャラクターのプロフィールを見ることができる機能を作るとき、ただ「プロフィールのテキストを書きました」とだけで終えるのではなく、演出やタイミングなど、より一歩踏み込んだ提案を考えられるといいですよね。

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採用する立場として、必ず質問していることはありますか?

北村 どんなゲームをプレイしているか、そのゲームの面白かった点はどこかは必ず聞いていますね。その答えがシナリオに関係なくても全然良いんです。「ああ、こういう目線でゲームを見られる人なんだ」というのを知りたいです。あと、ゲームシナリオを手掛けてきた方なら、「それぞれの作品で一番重要視していたことはなんですか」とお聞きしています。こちらも正解があるわけではないですが、これもゲーム全体を俯瞰してゲーム体験全体に意識を持たれているかどうか確認しています。


S.K. 私も北村さんと似たような質問をします。そして、人生で影響を受けた作品について聞くことが多いです。ゲームじゃなくても映画や小説、漫画でもアニメでもいい。影響を与えてくれたモノって、自分にとって好きの塊だと思うんです。その"自分にとって大切な好き"を他者に対して伝えられない人が、ゲームで自分が作るモノの面白さを伝えられるとは思えないですから。あとは単純に話の内容から「この人と一緒に仕事をしたいか」を考えています。やはり好きを語るときは、その人の思いや考えが明確に見えてきますからね。


Y.Y. シナリオが好きで書きたいという思いを書類に書かれる方が多いのですが、正直なところ私自身はそこはあまり注視していません。大雑把に言うとシナリオは誰にでも書けるものだと思っています。会社によってはシナリオライターという職種がない場合もあります。だからこそ、書類では、「この会社でこんなゲームをシナリオでこうしたい」という指針になるものが見えると、すごく心打たれます。


北村 ゲームならではの思いが見えるといいですよね。良いモノを書きたいだけなら、自分で作って出せばいいので。やはり俯瞰視点、共同作業の適性があるかが見えることが大切だと思います。

ポートフォリオは重視していますか?

北村 シナリオライター志望の方だとポートフォリオはちゃんと見ますが、シナリオディレクターの場合はポートフォリオだけを見て判断するのは難しいです。


S.K. そうですね。参考にはしますけど、重視はしません。それよりもこれまでにどんなことに取り組んできたか、ポートフォリオでもゲームの構造が分かるような書き方をしてると、ちゃんとシナリオ以外のことにも目を向けている人だと分かります。そんな心遣いがあるとシナリオディレクターに向いていると思います。具体的な例を挙げると、シナリオと一緒に世界観の資料を用意していて、ユーザーさまにこういう体験を与えたいといったプレゼン資料があると良いですね。なので、シナリオディレクターのポートフォリオは、単純なシナリオより企画書に近いもののほうが能力が見えると思っています。

最後に、求職者に向けてのメッセージをお願いします。

北村 コロプラのシナリオディレクターは、携われる幅がすごく広く、こんな物語や世界観のゲーム体験を作りたいという方は、ぜひコロプラに来ていただけるとその夢が叶えられると思います。


S.K. たしかに、「これをやりたいんだ!」と強く言っていると、それをやらしてもらえる会社です(笑)。正直な話、「こういう風に仕上げてほしい」という決まり切った仕事がしたい方はあまり向いてない環境かもしれません。逆に、明確にやりたいことがある方は向いていると思うので、ぜひコロプラで働くことを考えてみてほしいです。


Y.Y. 最近は新しいシナリオの在り方や表現なども求められてきているかなと思っています。ソーシャルゲームが生まれて10年以上、かなり飽和してきたコンテンツでもあります。


S.K. この世の中には、無限にストーリーが生まれていますからね。


Y.Y. そうなんです。もうどのストーリーが良かったかなんて、誰も覚えてない状態になっているかもしれません。なので、物語が面白いという以上に、ソーシャルゲームのシナリオだからこそできる体験をユーザーさまに届ける方法を新しく見つけないといけない。だからこそ、それを一緒に考えてくれる方にぜひきていただきたいです。


北村 新しい挑戦ができる楽しい環境ですので、退屈したくない方はぜひご応募ください!

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